研究課題/領域番号 |
16590074
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
屋山 勝俊 神戸学院大学, 薬学部, 講師 (30248108)
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研究分担者 |
岡本 博 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (00028870)
鷹野 正興 神戸学院大学, 薬学部, 講師 (30258107)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | アンジオテンシン / アンジオテンシン受容体 / 高血圧 / ブラジキニン / eNOS / NO合成酵素 / アンジオテンシンII / アンジオテンシン受容体遮断薬 / レニンーアンジオテンシン系 / 一酸化窒素合成酵素 |
研究概要 |
高血圧、糖尿病、高脂血症に伴う血管へのストレスはズリ応力やストレッチ刺激として内皮細胞に認知され、血管局所において血管作動性物質が産生される。最近、この血管作動性物質は血管の緊張調節のみならず、血管のリモデリングにも関与することが明らかとなってきた。血管作動性物質であるアンジオテンシンII(AngII)にはタイプ1(AT1)受容体とタイプ2(AT2)受容体の少なくとも2つのサブタイプが存在しており、従来からよく知られているAng IIの作用は、AT1受容体を介したものと理解されている。一方、AT2受容体は生後その発現が急速に低下するものの、循環器系疾患において再び発現が増加し、血管拡張、降圧、細胞増殖抑制作用を示すことが報告されていろ。我々は、圧負荷をかけた血管においてAT2受容体が高発現し、AT1受容体を介した血管収縮反応を抑制すること、そしてその収縮抑制には血管壁AT2受容体シグナル活性化によるブラジキニンB2受容体/NO/cGMP系の関与があることを報告してきた。さらに、圧負荷を受けた血管での内皮型NO合成酵素(eNOS)の発現及びeNOS蛋白質のリン酸化について検討を行ったところ、eNOS並びeNOSリン酸化の亢進を認めた。このeNOS並びにeNOSリン酸化亢進にAT2受容体を介したシグナルが関与しているか否かを検討するために、ヒト臍帯内皮静脈細胞(HUVEC)を用いて検討を行ったところ、AngIIによるAT2受容体刺激は、一過性のeNOSリン酸化を引き起こし、この機構はAT2受容体シグナル下流のプロテインキナーゼA活性化を介していること、また、AngIIによるAT2受容体刺激は、eNOS発現の亢進を引き起こし、これには、ブラジキニンB2受容体が関与していることを明らかにした。加えて、in vitroにおいて圧負荷をかけた血管にAT1受容体遮断薬存在下にAngIIを添加し、AT2受容体を刺激すると、キニンが遊離することを認めた。そして、このキニンの遊離は、AT2受容体遮断薬を共存させることにより消失した。今回得られた結果は、近年臨床で使用されているAT1受容体遮断薬の薬効を考える上でも有用な知見であると考える。
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