研究課題/領域番号 |
16590099
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境系薬学
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
吉野 伸 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (00260729)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 黄砂 / Th1 / Th2 / 経口免疫寛容 / サイトカイン / アレルギー / 免疫寛容 / 食物アレルギー / 自己免疫疾患 |
研究概要 |
黄砂は直径5〜50ミクロンの微粒子で、中国黄河流域ゴビ砂漠や黄土高原に存在する春先低気圧の上昇気流によって空高く巻き上げられ、偏西風に乗って日本に大量力言上陸する。黄砂の健康に与える影響は危惧されているが。その研究は少ない。我々はこれまでマウスを実験動物として用い、食物アレルギー発症阻止に重要な役割を果たしている経口免疫寛容が黄砂によって阻止されることを見出した。本研究では黄砂の経口免疫寛容に対するメカニズムについて検討した。抗原特異的免疫応答は実験動物DBA/1Jマウスに抗原卵白アルブミン(OVA)をアジュバントcomplete Freund's adjuvant(CFA)とともに皮下注射することによって誘導した。黄砂(1、10、100μg)はOVAの免疫前5日から1日1回経口投与した。免疫後21βに抗原特異的T細胞の増殖反応を3H-thymidineの細胞内取り込みによって定量化した。また、血清中の抗OVAIgG抗体を測定した。Th1免疫反応としては抗OVAIgG2aおよびIFN-γ産生を指標とした。Th2免疫反応の指標としては抗OVAIgG1およびIgE,またIL-4を測定した。さらに、Th3サイトカインとしてTGF-βおよび制御性サイトカインとしてIL-10を測定した。その結果、OVAに対するT細胞の増殖反応に対して有意差はみられなかったが、抑制される傾向がみられた。抗OVAIgG、IgG2a,およびIgG1抗体産生に対する黄砂の影響はみられなかった。しかし、抗OVAIgE産生は黄砂によって著名に増加した。黄砂のIFN-γ産生に対する影響はみられなかったが、IL-4産生は促進される傾向がみられた。TGF-βおよびIL-10産生に対する影響はみられなかった。以上の結果から、黄砂暴露によってTh2経口免疫寛容は増強される可能性がある。Th1経口免疫寛容は黄砂によって影響を受けないと思われる。Th3サイトカインおよび制御性サイトカインの本経口免疫寛容における役割は小さいと思われる。
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