研究課題/領域番号 |
16590118
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 姫路獨協大学 (2005-2006) 城西大学 (2004) |
研究代表者 |
駒田 富佐夫 姫路獨協大学, 新学部創設準備室, 教授 (50306247)
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研究分担者 |
平井 みどり 神戸薬科大学, 薬学部, 教 (70228766)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / 発現調節 / 抗腫瘍薬 / 転写活性因子 / AP-1 / アドリアマイシン / c-fos 37 / c-jun / CMV-LTR |
研究概要 |
ペプチドあるいは蛋白性薬物は、その分子量の大きさが簡便な投与を困難にしているに加えて、投与後きわめて速やかに分解あるいは排泄を受けるため生物学的半減期がきわめて短く、薬効の持続化が困難である。そこで、遺伝子治療を薬剤学的観点より眺めた場合、ペプチドあるいは蛋白性薬物の新規薬物送達法としての概念を提示しており、作用持続化や標的部位へのターゲッティングなど多くの可能性を秘めている。しかしながら、これまでの遺伝子治療の課題の一つとして、導入遺伝子の発現調節が挙げられている。そこで本研究では、抗腫瘍薬投与時の副作用軽減を目的とした遺伝子治療における発現制御を目指し検討した。 その結果、CMV promoterを有するベクターでは、パラコート(pQ)やアドレアマイシン(ADM)の刺激に応じてCMV-LTR配列中のTREにAP-1が作用し、下流にある目的遺伝子の発現が認められた。しかしながら、メトトレキサートやシスプラチンの添加では目的遺伝子の発現量の増加は認められなかった。この機構には一部活性酸素が関与しており、ADMによる目的遺伝子発現のスイッチングの可能性が示唆された。また、5-FU添加においても、目的遺伝子の発現量増加を経時的に観察したが、この増加はfreeradicalscavengerであるαトコフェロールの共存によって減少しなかった。したがって、5-FUによる目的遺伝子の発現量の増加は、PQやADMによる目的遺伝子発現のスイッチングメカニズムと異なることが推測された。 以上の検討から、抗腫瘍薬の副作用軽減を目的として遺伝子を導入した細胞に対して、抗腫瘍薬を負荷した際の目的タンパク質の発現挙動ならびに転写調節因子との関連性が明らかになった。本研究結果は、遺伝子治療時における目的遺伝子導入後の発現調節に関して、重要な情報をもたらすものであると考えられる。
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