研究課題/領域番号 |
16590130
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
岡本 博 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (00028870)
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研究分担者 |
屋山 勝俊 神戸学院大学, 薬学部, 講師 (30248108)
鷹野 正興 神戸学院大学, 薬学部, 講師 (30258107)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 肝臓 / 肝再生 / アンジオテンシンII / ブラジキニン / アンジオテンシン受容体 / ブラジキニン受容体 / アンジオテンシン変換酵素阻害薬 / アンジオテンシン受容体拮抗薬 / アンジオテンシン / AT1受容体 / 肝細胞増殖因子 / アンジオテンシン受容体遮断薬 / レニンーアンジオテンシン系 |
研究概要 |
レニン・アンジオテンシン系と、それにリンクするカリクレイン・キニン系が肝再生機構にどのように関与するかを明らかにする目的で、薬理学的手法を中心に、ラットならびにマウスの部分肝切除後の肝再生につき研究を行った。その結果、 (1)アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)ならびにアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬は、ラット・マウスのいずれにおいても、部分肝切除後の肝再生を促進する。 (2)同様の肝再生の促進は、AT1受容体を欠損したマウスにおいても認められる。 (3)アンジオテンシンIIの持続投与は、部分肝切除後の肝再生を抑制する。 (4)ACE阻害薬による、ラットの部分肝切除後の肝再生促進作用の一部はブラジキニンB2受容体の活性化に依存している。 (4)ACE阻害薬による、ラットの部分肝切除後の肝再生促進作用の一部はブラジキニンB2受容体の活性化に依存している。 (5)ARBの肝再生促進作用にAT2受容体は関与しない。 (6)これら薬物やAT1受容体欠損による肝再生促進、そしてアンジオテンシンII投与による肝再生抑制は、残余肝組織でのHGFmRNAならびにTGF-β mRNA発現レベル、および、これらサイトカインの血漿蛋白レベルの変動と一致する。 (7)よって、アンジオテンシンIIはAT1受容体を介して肝再生に抑制的に関与し、その関与にHGFあるいはTGF-βのような細胞増殖促進ならびに抑制因子が介在する可能性が考えられる。 (8)ラット肝再生において、ブラジキニンは促進的に働いている可能性が考えられるが、マウスの肝再生へのブラジキニンの関与は証明できない。 ARBあるいはACE阻害薬は肝炎における肝線維化を抑制することが臨床的にも明らかにされている。本研究で明らかになったように、これら薬物は同時に肝再生を促進する作用を持つことを認めたことから、今後の肝炎治療薬開発に一つの方向を与えるものと期待される。
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