研究課題/領域番号 |
16590131
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
岩川 精吾 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (50168548)
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研究分担者 |
上田 久美子 神戸薬科大学, 薬学部, 講師
平井 由華 神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (00289042)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | がん / 細胞・組織 / ステロイド誘導体 / スタチン / 脂質 / メトキシエストラジオール / 細胞死 / 活性酸素 / 脂肪酸 / スタチン系薬物 / 脂質・ステロイド誘導体 |
研究概要 |
スタチン系薬物と脂質・ステロイド誘導体の併用による乳ガン細胞や腎ガン細胞などのがん細胞の細胞死誘導について検討を行い、以下のような結果を得た。 n-3系不飽和脂肪酸含有トリグリセライドと卵黄レシチンを用いて0/W型エマルションを調製し、エマルション中に含まれるメナテトレノンのラットにおける体内動態について比較検討を行い、大豆油と卵黄レシチンから調製したエマルションと同様に脂溶性薬物のキャリアーとして有用であることを明らかにした。 ヒト乳ガン細胞(MCF-7)において、エイコサペンタエン酸の含有率の高い0/W型脂質エマルションにより増殖が抑制された。そしてその抑制はエマルションの細胞内取り込み量に起因しないことを認め、細胞内脂質過酸化の関与することが示唆された。 40%酸素条件下、ヒト腎ガン細胞(ACHN, ACVB)ではブチオニンスルフォキシミン処置でグルタチオンを低下させることにより、20%酸素条件下よりも、生存率が低下しやすいことを認めた。更に、ステロイド誘導体の2-メトキシエストラジオール(2-ME)による殺細胞効果は40%酸素条件下、増強されることを観察した。また、40%酸素条件下2-MEと過酸化水素やインドメタシンとの併用により、細胞内活性酸素レベルの上昇とともに生存率の低下を認めた。 ACVBにおいてシンバスタチンはプラバスタチンと比較し、低濃度で細胞生存率の低下を認め、そのシンバスタチンの殺細胞効果に細胞内メバロン酸とゲラニルゲラニルピロリン酸レベルの低下による影響が大きいことが観察された。また、ドコサヘキサエン酸の殺細胞効果は細胞内H202レベルの上昇と、ファルネシルピロリン酸とゲラニルゲラニルピロリン酸の低下による影響が共に大きいことが示唆された。 本研究によりスタチン系薬物と脂質・ステロイド誘導体の併用により、がん細胞において細胞死を誘導し得ることを認めた。
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