研究課題/領域番号 |
16590153
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
秋元 義弘 杏林大学, 医学部, 助教授 (60184115)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 角膜 / 糖尿病 / 基底膜 / 細胞外マトリックス / コラーゲン / デスメ膜 / ラミニン / フィブロネクチン / 細胞マトリックス |
研究概要 |
糖尿病の発症により基底膜に形態変化が起ることがよく知られている。角膜では糖尿病に伴い点状角膜上皮症や再発性角膜びらんなどの合併症が起こる。我々は、このような角膜障害に伴い、基底膜を含めた細胞外マトリックスの構成成分がどのように変化するかを解明するため、インスリン非依存性糖尿病モデル動物(GKラット)を用いて基底膜の分子構築の変化を免疫組織化学的に検討した。まず電子顕微鏡にて形態を観察したところ、糖尿病GKラット角膜では、角膜上皮基底細胞におけるヘミデスモゾームの減少並びに上皮基底細胞からの基底膜の剥離が観察された。またGKラットではデスメ膜のlong spacing collagenが正常な角膜に比べて、加齢に伴い顕著に増加することが観察された。次ぎに免疫組織染色により細胞外マトリックスの構成成分(I、III、IV、VI、VIII型コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン、ヘパラン硫酸プロテオグリカン)の発現を調べた。その結果、VIII型コラーゲンの発現の増加とラミニンの発現の減少が観察された。さらにコロイド金法ならびにHRP法を用いた免疫電顕により、VIII型コラーゲンが正常なラットの角膜ではデスメ膜全体にほぼ均一に分布するのに対し、GKラットではデスメ膜全体に分布すると同時に、特にlong spacing collagenに局在していることが明らかになった。以上のことから基底膜の分子構築の変化が糖尿病角膜症の原因の一つになっていることが推測された。今後さらに糖尿病と基底膜の形態変化との関係を角膜の培養系を用いて免疫組織化学的に解析していくことが必要と考えられる。
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