研究課題/領域番号 |
16590162
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
桑木 共之 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80205260)
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研究分担者 |
下山 恵美 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (10206253)
中村 晃 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (40343090)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 視床下部 / 防衛反応 / オレキシン / ストレス / ノックアウトマウス / トランスジェニックマウス / 国際情報交換 / 米国 / 防衛反射 / トランスジェニックスマウス |
研究概要 |
【目的】ストレス防衛反応の表出に関与する神経伝達物質に関して検討した。 【方法】オレキシンプロモーターに細胞死を誘発する遺伝子を接続したDNAを導入することによってオレキシン含有神経細胞を特異的に破壊したトランスジェニックマウス(ORX-Tg)を用い、各種の刺激によって防衛反応を惹起させた時の循環・呼吸等のパラメーターを、正常対照マウスならびに以前に得たオレキシンノックアウトマウス(ORX-KO)での結果と比較した。 【結果】ORX-Tgの安静時の血圧は野生型マウスに比べ約20mmHg低値を示し、薬理学的検討から血管収縮性交感神経活動の低下の為であろうと結論された。視床下部脳弓周囲領域(いわゆる防衛領域)の刺激による血圧・心拍数・呼吸数の増加反応はORX-Tgでは野生型マウスよりも有意に減弱していた。防衛反応時の内臓領域と骨格筋の血流量を測定し内臓領域から骨格筋への血流配分のシフトを評価したところ、野生型マウスに見られた骨格筋血管弛緩反応がORX-Tgでは殆ど観察されなかった。野生型マウスでは防衛反応時に動脈圧受容器反射が抑制されるが、これもORX-Tgでは殆ど観察されなかった。無麻酔動物を用いた実験においても防衛反応時の血圧・心拍数の反応がORX-Tgでは有意に減弱していたが、安静時の動脈圧受容器反射に異常はなかった。脳弓周囲領域の刺激効果を野生型マウス、ORX-Tg、ORX-KOの3者で比較したところ、後2者間に差はなく、いずれのパラメーターでも野生型マウスに比べて40〜80%の減弱であった。 【考察】基礎血圧の決定と防衛反応の表出にはオレキシンこそが重要であり、オレキシン含有神経細胞に共存する神経伝達物質候補が果たす役割は低いものと結論された。
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