研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、強力なH^+シグナル発生装置と正確なリアルタイムpHセンサーの性質を兼ね備える膜電位依存性H^+(Hv)チャネルを利用して、重要なシグナルイオンであるH^+のダイナミックな動態とそのメカニズムを解明することにある。Hvチャネルを発現しているミクログリアや破骨細胞の細胞内外のpHを高濃度pH bufferによってクランプし、チャネル活性を検出した。他のイオンチャネル活性を抑制した条件でcurrent-clampを行うと、10ms-数秒以上の様々な周期で膜電位が振動しており、この振動がHvチャネルのブロッカー(亜鉛)によって消失した。また温度変化や乳酸アシドーシスに伴うHvチャネル活性の変動の電位依存性や時間経過からHvチャネルの活発なリクルートメント機構の存在を推測した。さらに破骨細胞の細胞膜にHvチャネルと共存する強力なH^+ポンプである空胞型H^+-ATPase (V-ATPase)を介するH^+電流の測定に初めて成功した。この電流はATPに依存し、Hvチャネルに比べ緩やかではあるがpHおよび電位依存性があり、脱分極によって電流が増加した。また電流量はHvチャネルの数十分の一以下であり、活性の時間変動も小さかった。これらの結果から、H^+シグナルの大きなゆらぎの主体はHvチャネルであり、Hvチャネル、V-ATPaseは異なるリクルートメント機構に基づいてH^+シグナルの形成に参与していることが示唆された。更に、H^+の動態に関与の深い浸透圧応答の解析に必要な浸透圧ジャンプ法の開発、細胞内外ATP異常による病態モデルの検討を行った。これらの成果を用いて、引き続いてH^+シグナル制御メカニズムの解明を進める。
すべて 2006 2005 2004 その他
すべて 雑誌論文 (24件) 図書 (1件) 産業財産権 (1件)
Pediatric Res. 59(3)
ページ: 359-354
Biophysical Journal Abstract
J.Physiol.Sci. 56
ページ: 359-364
Biophysical Journal Abstract 283a
J.Physiol.Sci. 56(Suppl.)
130007038999
Jpn.J.Physiol. 55
130005447955
J.Gen.Physiol. 126
ページ: 529-538
Jpn.J.Physiol. 55(Supple)
Structure, Function and Materials of the Human Body (Nihon Iji Shinpou-sha) 9(2)
ページ: 1-93
Biophysical J. 88(1)(Supple)
Biophysical J.(Abstract of 49^<th> Annual Meeting of Biophysical Society) (未定)
Shinkei Masui Shuchu Chiryou (in Japanese) 8
ページ: 82-83
Biophys.J. 86,(1), Supple Part 2
Jpn.J.Physiol. 54 (Supple)
Neuroscience Res. 50 (Suppl1)
Jpn.J.Physiol. 54
Neuroscience Res. 50
神経麻酔・集中治療(プロシーディング)
第82回生理学会大会発表予定 (未定)