研究課題/領域番号 |
16590169
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
|
研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
中張 隆司 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (20189020)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | airway epithelia / mucociliary clearance / cilia / ATP / ciliary beat frequency / video microscopy / trachea / bronchiole / tracea / ciliary beat frequency (CBF) / purinergic receptor / hypo-osmotic stress / osmotic swelling / cetylcholine |
研究概要 |
気管スライス標本を用い気管上皮線毛運動の測定ができる実験システムを構築し、線毛運動をビデオ顕微鏡を用い線毛運動周波数(CBF)を測定した。気管上皮線毛運動周波数(CBF)はacetylcholine(ACh)刺激により細胞内Ca^<2+>濃度上昇を介し活性化された。更に低浸透圧(-40mosM)を負荷するとAChによるCBF増加は増強された。このメカニズムについて検討した。低浸透圧(-40mosM)はCBFのACh濃度依存性を低濃度側にシフトさせた。この低浸透圧の効果は、細胞膨化に伴い細胞から放出されたATPによりP2X,P2Y受容体が刺激され細胞内Ca^<2+>濃度の上昇をさらに増強することにより引き起こされていることが明らかとなった。さらに、ATPの流出経路については結論は得られなかった。すなわち、Cl^- channelsの阻害剤(NPPB)は低浸透圧の効果が抑制しなかったことから、NPPB-insensitive Cl^- channelsあるいはCl^- channels以外の経路(開口放出など)による可能性が考えられた。新たに導入した高速度カメラを用いての実験から、線毛運動の活性化はまず振幅の増大が起こり、続いてCBFが増加することも明らかとなった。しかも、振幅増大の薬剤に対する濃度依存性は、CBFに対する曲線よりも低濃度側にシフトしていた。このことは、線毛運動の活性化の指標として振幅の増大が重要であることを示している。さらに、実験過程で気管と細気管支の線毛運動が異なる調節を受けていることも見いだした。肺内の細気管支の線毛細胞の線毛運動では、気管上皮の線毛細胞とは異なり、ACh,ATPによる線毛運動の活性化は認められなかった。一方、β-agoinistによる線毛運動の活性化は気管上皮、細気管支上皮の線毛運動において観察された。このように、気道部位により線毛運動の活性化機構は異なっていた。
|