研究課題/領域番号 |
16590195
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
|
研究機関 | 奈良県立医科大学 (2005) 徳島大学 (2004) |
研究代表者 |
吉栖 正典 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60294667)
|
研究分担者 |
玉置 俊晃 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (80179879)
土屋 浩一郎 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (70301314)
香美 祥二 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00224337)
兼松 康久 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (90363142)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | MAPキナーゼ / Big MAP kinase 1 / 糖尿病性微小血管障害 / OLETFラット / Cuff injury / 血小板由来増殖因子 / SHP-2 / Gab1 |
研究概要 |
新しいMitogen-Activated Protein(MAP)キナーゼである、Big MAP kinase 1(BMK1)の糖尿病性微小血管障害における役割について、in vivoでの実験と培養ラット大動脈平滑筋細胞(RASMC)を用いたin vitroの実験で検討した。 1)2型糖尿病モデルのOLETFラットにおいて、糖尿病性の合併症が明らかとなる52週齢で、腎臓の細動脈でのBMK1活性の上昇が認められた。 2)マウスの左大腿動脈周囲にポリエチレンカフを留置し、炎症性血管障害モデルマウスを作成してBMK1の活性化を検討した。カフ留置による障害血管では新生内膜の肥厚が認められ、同部位では対照群と比べてBMK1の活性が高いことが確認された。 3)RASMCにおいて、アルドステロンの刺激により濃度依存的なBMK1の活性化が認められ、硬質コルチコイド受容体拮抗薬のエプレレノンによってBMK1の活性化が阻害された。 4)BMK1の上流にあるMEK5を遺伝子抑制するとBMK1の活性化は完全に阻害され、アルドステロン刺激によるRASMCの増殖は約50%抑制された。 5)RASMCにおいて、血小板由来増殖因子(PDGF)の刺激により濃度依存的なBMK1の活性化が認められた。また、PDGF刺激によりアダプター蛋白Gab1とチロシンフォスファターゼSHP-2のリン酸化と結合が増加していた。PDGF刺激によりSHP-2の脱リン酸化酵素活性は上昇し、SHP-2阻害によりPDGF刺激によるBMK1活性化が抑制された。 6)MEK5をadenovirus vectorにより遺伝子抑制するとBMK1の活性化は完全に阻害され、PDGF刺激によるRASMCの遊走は約25%抑制された。 以上の結果より、糖尿病や炎症による血管障害ではBMK1の活性が上昇しており、in vitroの実験でもそれは裏付けられた。本研究でBMK1およびその関連分子は糖尿病性微小血管障害の分子創薬ターゲットになりうる可能性が示された。
|