研究課題/領域番号 |
16590216
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
武田 和久 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30311559)
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研究分担者 |
柴原 茂樹 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70206142)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | MITF / 概日リズム / 換気応答 / Prostaglandin D synthase / SOX10 / Endothelin / DNA methylation / メラノサイト / 転写因子 / 分化 / Prostaglandin D2 synthase |
研究概要 |
メラノサイトの分化には、転写因子であるMITFやSOX10、分泌タンパクendothelin 3とその受容体endothelin receptor type B(EDNRB)が必須である。これらの遺伝子変異マウスは、メラノサイトが欠損し白い体毛となる。 まず我々はメラノサイトの新たな生理的役割を探索するために、Mitf遺伝子変異マウスであるMitf-black eyed white(bw)マウスの様々な生理機能を解析した。正常なマウスでは夜間に活発化した運動が夜間後期に減少するが、bwマウスでは夜間後期の運動の減少が認められなかった。また換気応答の解析の結果、bwマウスの安静覚醒時の呼吸数が正常なマウスに比べ少なく、低酸素及び高炭酸ガス刺激に対して過剰応答した。これらの症状から、bwマウスには概日リズムや呼吸調節の異常があると予想される。 そこでbwマウスの病態の分子機序を解明するために、Wild typeとbwマウスの皮膚によるcDNA microarray法を行った。そして、新規メラノサイトマーカーとしてlipocalin-type Prostaglandin D synthase(L-PGDS)を同定した。L-PGDSの発現がMITFによって制御されることも示した。L-PGDSは睡眠の調節に関与しており、夜間運動亢進の原因である可能性がある。 さらに我々は、SOX10がEDNRB遺伝子の転写を活性化することを明らかにした。さらに、EDNRBを発現しないHeLa細胞(子宮頸ガン)ではEDNRB遺伝子プロモーターがメチル化されており、一方メラノサイトではメチル化されていなかった。SOX10によるEDNRB遺伝子の転写活性化には、EDNRB遺伝子プロモーターの脱メチル化が必要であった。 以上より、メラノサイトの新たな生理的役割や恒常性維持機構が示唆された。
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