研究課題
基盤研究(C)
Ncxの神経堤細胞の分化・増殖における機能を明らかにする目的で、その標的遺伝子を同定し解析を行った。その結果一つの標的遺伝子Nczfを同定した。NczfはC2H2 type Zing FingerとKRAB domainを含有し全長約22kbで6つのexonを持つ新規遺伝子であり、第1 exonより約500bp上流に4カ所Ncx結合のコンセンサス配列を含む領域が存在した。Nczfの発現をwild typeとNcx KOマウス由来の腸管を用いてそれぞれ定量的RT-PCRで調べたところ、Ncx KOマウスにおいて約3分の1に減少していた。また、Nczfの腸管での発現は胎生14日および生後1週にピークを持ち、Ncxの腸管における発現パターンと相関していた。Nczfタンパクは核内に局在し、speckle patternをとった。In vitroでNczf発現誘導によるアポトーシスによる細胞死がおこることを明らかにした。今後ノックアウトマウスを解析することによりNczfの個体発生や神経堤細胞分化・増殖・細胞死における生理的機能について解析をすすめる予定である。次にNczfの転写制御因子としての機能、および生体内での機能を明らかにすることを目的としレポーターアッセイおよびNczf蛋白が結合するDNAコンセンサス配列を決定した。その結果Nczfは転写抑制因子として機能することが明らかとなった。次にNczfの11個のzinc finger部分とGSTの融合蛋白を作成し(GST-Nczf-ZF)、SAAB法(selection and amplify binding method)を用いてNczfの結合するDNAコンセンサス配列を同定、解析した。その結果8bpのコアを含むコンセンサス配列が決定された。次に選定された配列をもとにEMSA(=electro mobility shift assay)を試行しNczfのzinc fingerとコンセンサス配列の結合を確認した。また得られたNczfコンセンサス配列をゲノム上で検索したところ、ヒトおよびマウスのエンドセリンレセプターBにおいて腸管神経細胞での発現を制御するENSエンハンサーとよばれる領域に複数存在することが明らかとなった。エンドセリンレセプターBはヒトHirschsprung病の原因遺伝子でもあることより、今後NczfによるエンドセリンレセプターB遺伝子発現制御機構の解析およびヒトHirschsprung病およびその類縁疾患(IND)におけるNczfの遺伝子異常などについても研究をすすめていく予定である。
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