研究課題/領域番号 |
16590273
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 埼玉医科大学 (2007) 山梨大学 (2004-2006) |
研究代表者 |
村田 晋一 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (20229991)
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研究分担者 |
加藤 良平 山梨大学, 大学院, 教授 (30152755)
近藤 哲夫 山梨大学, 大学院, 助教 (30334858)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,650千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | chromosome territory / subchromosomal positioning / multicolor FISH / EDC / texture analysis / thyroid / uterine cervix / urinary bladder / urothelial carcinoma / urothelial dysplasia / squamous metaplasia / chromosome positioning / multi-color FISH / papillary carcinoma |
研究概要 |
16年度では、転座などの小さな遺伝子異常しか示さない甲状腺乳頭癌細胞においては、核内の染色体の配置(chromosome territory)は軽度に乱れているもののほぼ保たれている一方、多倍体化を伴う大きな遺伝子異常を示す未分化癌細胞においては、chromosome territoryの配置は大きく乱れていることを示した。17年度では、子宮頚部腺上皮の扁平上皮化生において、Epidermal differentiation complex(EDC)遺伝子のchromosome territory内での遺伝子の位置(subchromosomal positioning)が、円柱上皮細胞よりも扁平上皮細胞に類似したパターンを示すことを示した。18年度では、EDCが存在する周囲のクロマチン凝集は弱い傾向があり、RNA転写に都合の良いDNAの高次構造の改変が起こっていることが示唆された。19年度では、遺伝子変化の大きい尿路上皮癌では、甲状腺乳頭癌よりも遺伝子異常が高頻度に見られ、染色体高次構造のより高度な異常が示唆された。また、尿路上皮癌の遺伝子異常は細胞異型のより強い高悪性度症例により高頻度に見られた。 以上をまとめると、1)癌化におけるchromosome territoryの変化は、遺伝子異常が高頻度に認められる甲状腺未分化癌や尿路上皮癌といった高悪性度症例において、より高度な変化が見られること、2)chromosometerritoryを始めとする染色体の高次構造の異常は核形態の異常(核異型)をもたらすこと、3)腺上皮における扁平上皮化生では化生を起こす蛋白を産生させるためにsubchromosomal positioningの変化やその遺伝子周囲のDNAの立体構造を変化させること、が明かとなった。すなわち、 chromosome territoryやsubchromosomal positioningといった染色体高次構造の変化が、癌化、細胞形態およびRNA転写ひいては蛋白発現の制御を行っていることを示唆するものと考えられた。
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