研究課題/領域番号 |
16590279
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
近藤 英作 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (30252951)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | 分子標的 / ペプチドプロテインデリバリ / トランスポーター / 難治性悪性腫瘍 / 抗体 / ペプチドプロテインデリバリー / プロテイン・デリバリー / 悪性リンパ腫 |
研究概要 |
まず、平成14〜15年度基盤研究C(2)での計画の機能性p16 peptideの当超高効率蛋白分子輸送系による細胞内デリバリーによる高悪性度リンパ腫群増殖抑制システムの確立を継続研究し、成果としてまとめ"Molecular Cancer Therapeutics, 3(12) Dec 2004"に報告した。平成16年度計画の第一段階実験として当トランスポーターが輸送・導入できる蛋白分子の範囲を検定し、2-3kDaの低分子から抗体を含め約500kDaレベルの高分子量蛋白まで導入可能であることが判明した。次に特異抗体が細胞内に取り込まれ且つ抗原特異的局在を示すか否かについて抗actin mAbを用いて検定し、肝癌細胞(上皮系)・骨肉腫細胞(間葉系)・メラノーマ細胞(神経系)など多系統の細胞で効率よく取り込みが見られ、抗体はアクチンの分布に一致する局在を示したが、p53抗体などによる核内抗原の捕捉はうまくいかなかった。また抗体フォームの最適化をwhole antibody, F(ab')2で検討したが両者に明かな違いはなかった。抗体の当システムを応用した細胞内デリバリーは、以上の問題点の克服のため現在継続的に研究中である。ここで、もうひとつの大きな可能性として重要な当システムによる同時多重分子標的系構築が可能であるかを研究した。対象に難治性悪性腫瘍ヒトグリオブラストーマを選び、これらが喪失した癌抑制遺伝子p16^<INK4a>、p14^<ARF>の同時機能回復による腫瘍増殖抑制を試みた。結果、p16^<INK4a>、p14^<ARF>機能を代償する機能性ペプチドを導入した腫瘍細胞株U87ΔEGFRでは、最大95%以上の劇的な増殖抑制を認めた。さらに、脳腫瘍モデルマウスを作成し、経静脈的に当輸送系による同時二重標的を施行したin vivo studyでも、二重標的群は統計学的に明かな有意差を持って生存期間の延長を認めた。
|