研究課題/領域番号 |
16590284
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
浅田 祐士郎 宮崎大学, 医学部, 教授 (70202588)
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研究分担者 |
畠山 金太 宮崎大学, 医学部, 講師 (60325735)
丸塚 浩助 宮崎大学, 医学部, 助教授 (00239154)
今村 卓郎 宮崎大学, 医学部, 講師 (60203329)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 急性冠症候群 / Ecto-ATPDase / 血小板 / 血管収縮 / 冠動脈プラーク |
研究概要 |
急性冠症候群は冠動脈硬化巣(プラーク)の破綻により血栓が形成され発症する。この血栓形成過程において血小板の活性化がそのトリガーとなる。種々の細胞から放出されるADPは強力な血小板活性化分子であり、Ecto-ATPDaseはADPを分解する酵素で、生体内で抗血栓作用を有している。本研究では、急性冠症候群の発症における本酵素の関与検討した。 1、冠動脈プラークにおけるEcto-ATPDaseの局在 急性冠症候群患者と狭心症患者の冠動脈アテレクトミー標本を用いて冠動脈プラークにおける本酵素の発現を解析し、臨床病態との相違を検討した。その結果、Ecto-ATPDaseは内皮細胞とプラーク内の平滑筋細胞で発現され、急性冠症候群患者では安定性狭心症患者に比して発現が有意に低下していた。この発現量の低下がプラーク破綻後の血栓形成を促進し急性冠症候群の発症に関与する可能性が示唆された。 2、Ecto-ATPDase発現動物モデルでの血栓抑制効果 本酵素の血管壁内での抗血小板作用を検討する目的で、ラット頸動脈にヒトのEcto-ATPDase遺伝子を導入し、光照射による血栓形成への抑制効果を検討した。その結果、Ecto-ATPDaseを発現した血管では、血栓形成が著明に抑制され、血管壁平滑筋細胞に存在するEcto-ATPDaseが生体内で抗血栓作用を担うことが証明された。 3、Ecto-ATPDase発現動物モデルの血管収縮能への効果 本酵素の血管壁内での血管収縮作用を検討する目的で、ラット頸動脈に同遺伝子を導入し、ADP/ATPによる血管収縮能を検討した。その結果、Ecto-ATPDaseを発現した血管では、ADP/ATPによる血管収縮は有意に抑制された。このことからEcto-ATPDaseは生体内で血栓症に伴う血管収縮を抑制することが証明された。
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