研究課題/領域番号 |
16590305
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
久野 耕嗣 金沢大学, がん研究所, 助教授 (40242565)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | メタロプロテアーゼ / 卵巣機能 / 卵胞生育 / 排卵 / 細胞外マトリックス / ADAM |
研究概要 |
ADAMTS-1は、プロテオグリカン分解活性を有するメタロプロテアーゼであり、腎盂尿管移行部組織の構築や雌の生殖機能に重要である。我々は卵巣機能におけるADAMTS-1の役割を明らかにするために、ADAMTS-1-/-マウスの卵巣機能の異常について調べた。まずADAMTS-1-/-マウスでは、過排卵条件下での排卵数が顕著に減少するが、これは(1)成熟卵胞の減少と、(2)成熟した卵胞の排卵率の低下の2つの段階で起こっていることがわかり、ADAMTS-1が排卵および卵胞生育過程の双方に関与していることが明らかになった。この時ADAMTS-1-/-雌マウスでは、卵胞壁の菲薄化が起こらない非破裂卵胞が認められることから、ADAMTS-1は排卵時には卵胞壁の線維性コラーゲンの分解系を促進する役割を担っていると考えられる。またADAMTS-1-/-マウスの卵巣では、ゴナドトロピン投与の有無に関わらず、タイプ5b(前胞状卵胞後期)およびタイプ6(胞状卵胞)の卵胞数が、コントロールマウスと比較して有意に減少しており、また前胞状卵胞(タイプ4、5aおよび5b)から生じた閉鎖卵胞数も顕著に減少していることから、同マウスではタイプ4からタイプ5bへ進む正常な卵胞発育過程や、通常の卵胞閉鎖過程が抑制されていることがわかった。さらにADAMTS-1-/-マウスの卵巣では、直径がタイプ4卵胞のものに相当する卵子を有しているが、顆粒膜細胞層が多層化せずに消失ないし扁平化を示す異形成(閉鎖)卵胞が多数認められることから、ADAMTS-1が前胞状卵胞期の卵胞構造の維持に重要であることが示唆された。またADAMTS-1-/-マウスの卵巣では、ゴナドトロピン刺激時の卵巣髄質部の血管が顕著に減少していることから、ADAMTS-1が卵巣髄質部の血管形成に関わっていることが明らかとなった。
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