研究課題/領域番号 |
16590311
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | (財)田附興風会 (2005) 京都大学 (2004) |
研究代表者 |
上田 修吾 (財)田附興風会, 医学研究所第2研究部, 研究員 (80372580)
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研究分担者 |
中村 肇 京都大学, 医学研究科, 助教授 (70303914)
増谷 弘 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (50252523)
淀井 淳司 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80108993)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | レドックス / チオレドキシン / 固形腫瘍 / 抗癌剤 / 遺伝子組換え蛋白質 / 腫瘍増殖 / 遺伝子組み換え蛋白質 |
研究概要 |
レドックス制御蛋白ヒトチオレドキシンの固形腫瘍増殖に及ぼす影響について検討した。まず、遺伝子組み換えヒトチオレドキシン蛋白(rhTRX)を作製し、細胞増殖に及ぼす影響を調べた。in vitroにおいてrhTRXの添加は、常酸素また低酸素下のヒト大腸癌細胞株HT-29,HCT-116の細胞増殖速度に影響しなかった。 次にHT-29細胞をヌードマウス皮下に接種し、皮下腫瘍の増殖を観察した。rhTRXをマウス腹腔内注射、または浸透圧ポンプシステムによりマウス皮下に持続注入した。その結果、rhTRX投与は皮下腫瘍の増殖速度には影響しなかった。 HT-29細胞はin vitroで種々の抗癌剤の中でも特にCPT-11に感受性を有した。さらにHT-29マウス皮下腫瘍におけるCPT-11至適治療用量と投与法を決定し、rhTRXの併用投与がCPT-11感受性に及ぼす影響を調べた。その結果、rhTRX投与は、コントロールPBS投与群と比較し、CPT-11によるHT-29腫瘍縮小効果に影響を示さなかった。 また、活性中心のシステイン残基をセリン残基に置換した、改変型rhTRX (C35STRX, C32S/C35STRX)を作成し、ヌードマウス腹腔内または持続皮下に持続投与したが、野生型rhTRXと同様に、CPT-11によるHT-29腫瘍縮小効果に影響を示さなかった。 以上より、rhTRX投与は腫瘍増殖促進作用を示さず、抗癌剤の腫瘍抑制効果を妨げることもなかった。現在、rhTRXを抗癌剤副作用などで生じる急性肺障害に対する新規治療剤として探索医療の準備を進めており、この結果は、担癌患者へのrhTRX投与の安全性を示唆する知見である。 本研究成果は、第64回日本癌学会学術総会(札幌市)で発表し、英字論文発表した(Life Sciences 2006,in press)。
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