研究課題/領域番号 |
16590326
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
竹腰 進 東海大学, 医学部, 助教授 (70216878)
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研究分担者 |
瀧澤 俊也 東海大学, 医学部, 助教授 (70197234)
長村 義之 東海大学, 医学部, 教授 (10100992)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | protein kinase C / diacylglycerol / oxidative stress / lipid peroxidation / neuron / brain / signal transduction / MAP kinase |
研究概要 |
イノシトール燐脂質情報伝達系の中核酵素であるプロテインキナーゼC(PKC)は、ジアシルグリセロール(DAG)によって活性化されることにより様々な細胞応答に重要な役割を果たしている。我々はDAGが過酸化されることによりnative DAGの約3倍のPKC活性化作用を持つ強力な活性化物質に変質することを証明し、機能性脂質(DAG)の過酸化によるPKC過剰活性化と蛋白リン酸化反応の異常亢進による病変発生の可能性を示唆してきた。さらに過酸化DAGによる神経細胞傷害の機序を追求する過程で、われわれは脳組織中には過酸化DAGによりδ分子種よりさらに強く活性化される未知のPKC分子(PKC-X)が存在することを見いだした。実際の脳組織において過酸化DAGによる病変発生の機序を厳密に検証する際に、このPKC-X分子の存在はきわめて重要であると考えられる。本研究では、過酸化DAGに特異的に応答する新しいPKC分子種(PKC-X)の同定を試み、PKC分子が過酸化DAGにより過剰活性化された際の細胞傷害作用の詳細な機序を精査することを目的とした。2004年度には、ラット脳ホモジネートからDEAE-sephaceカラムクロマトグラフィーにより分離されたPKC-Xを高濃度に含有する分画を得ることに成功した。また、このPKC-X分画を用いBiacore装置により過酸化DAGとの親和性の解析を行った。その結果、PKC-Xはnative DAGと比較して過酸化DAGに対して高い親和性を有することが判明した。2005年度は、精製PKC標品(α、γ、ε)を用い、Biacoreを用い、過酸化DAGとの結合活性を検討した。その結果、過酸化DAGは、native DAGに比較して各PKCアイソフォームに高い結合活性を示した。特に、PKCα分子は過酸化DAGに対する親和性が高く、PKCα分子種が過酸化DAGにより特異的に強く活性化されるという実験結果をサポートするデータが得られた。また、精製標品とDAG分子との結合反応の至適条件の設定が終了し、PKC-Xと考えられる蛋白成分の一部精製が終了し、今後、単離されたPKC-Xを用い質量分析器による一部アミノ酸配列決定を行い、PKC-Xの同定を試みたい。
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