研究課題/領域番号 |
16590328
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 琉球大学 (2006-2007) 久留米大学 (2004-2005) |
研究代表者 |
加藤 誠也 国立大学法人琉球大学, 医学部, 教授 (60268844)
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研究分担者 |
星野 友昭 久留米大学, 医学部, 講師 (00261066)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 動脈硬化 / 炎症 / Th1反応 / サイトカイン / インターロイキン-4(IL-4) / 遺伝子改変マウス / 培養細胞 / Thl反応 |
研究概要 |
動脈硬化症の発症、進展における炎症性機序の関与とその治療的方策を検討した。培養血管平滑筋細胞において、酸化LDLに含まれる強力な脱分化促進物質LPAが増殖能亢進だけではなく、NADPH依存性の細胞内酸化ストレス亢進、低分子量G蛋白racの活性化を介してケモカインであるMCP-1産生をもたらし、炎症型形質の存在が示唆された。このような炎症性シグナリングは、抗酸化剤だけではなく、スタチン投与により抑制され、薬理学的な治療、病態改善の可能性が示唆された。ApoE欠損動脈硬化モデルマウスを用い、代表的Th1型サイトカインINF-γの可溶性受容体の過剰発現により動脈硬化性病変の抑制を認め、この事は動脈硬化性機転におけるTh1型獲得免疫反応の重要性と免疫調整療法の治療的意義を示唆するものである。また易動脈硬化性B6系マウスに、Th2反応の主要細胞内伝達経路であるSTAT6欠損を導入したところ、Th1反応優位型の免疫学的特性に加え、肥満や耐糖能異常など生活習慣病的形質を示し、Th1/Th2バランスの異常が血管病変形成に関与する可能性が示唆された。変異型IL-4を用いた細胞生物学的解析や治療法開発については、マウスのwild type IL-4及び細胞特異性Q116E IL-4 mutein遺伝子を、pAdvCMVLinkl (shuttle型発現vector)にsubcloningし、primary cultureで分離したマウスの血管壁細胞への遺伝子導入や炎症型形質発現への影響を検討、in vivoの実験にも有用なIL-4 muteinのadenovirus vectorの開発を行った。以上の研究結果は、動脈硬化の炎症性側面を一層強固し、炎症機転、免疫反応の修飾による治療的効果を期待させる知見と考えられる。研究助成に深謝し、引き続き心血管病の病理学的諸問題の解決のため精進したい。
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