研究課題
基盤研究(C)
レプチンは脂肪細胞から産生され、脳下垂体においてcorticotropin-releasing factor(CRF)を介し、摂食抑制やエネルギー代謝亢進を誘導する。本研究者はリステリア感染に対するレプチンレセプター欠損マウス(db/db)およびレプチン欠損マウス(ob/ob)の感染感受性とその機序について研究を行い、以下の成果を得た。1.db/dbマウス、ob/obマウスともにリステリア感染に高感受性し、特に肝臓における菌のクリアランス能が低下し、MCP-1とKCの発現が、ob/obマウスではMCP-1の発現が特異的に低下していた。2.ob/obマウスにレプチンを投与すると、リステリア感染に対する抵抗性、肝臓におけるMCP-1の発現が回復し、体重および血糖値の減少が認められた。同様にdb/dbマウスをインスリンで治療すると、リステリア感染に対する抵抗性、肝臓におけるMCP-1とKCの発現が回復し、体重および血糖値の減少が認められた。以上の結果から、レプチンはMCP-1の発現を直接亢進する作用と、血糖の調節を介した間接的な作用の両方を介して、細菌感染を制御することが示唆された。次に、CRFファミリーペプチド【CRF、urocortin(Ucn)、Ucn2】のリステリア感染防御における影響を検討し、以下の成果を得た。1.Ucn2投与マウスでのみ、リステリア感染に対する抵抗性が減弱し、リステリア感染防御に必須なIFN-γおよびTNF-α産生が低下し、増悪因子であるIL-10産生が増加していた。Ucn2の感染防御抑制効果は、IL-10遺伝子欠損マウスで解除された。2.Ucn2投与マウスでは、STAT1のリン酸化が低下し、STAT3のリン酸化が亢進していた。以上の結果から、Ucn2はIL-10産生を亢進させることによって、リステリアに対する感染防御を抑制することが示唆された。
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