研究課題/領域番号 |
16590372
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
藤巻 わかえ 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90256496)
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研究分担者 |
内山 竹彦 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00050550)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ヒト細胞T細胞 / 胸腺外成熟 / 制御性細胞 / FOXP3 / CD45 isoform / ヒト胸腺細胞 / ヒト臍帯血 / ヒトT細胞 / 制御性T細胞 / 胸腺細胞 / 臍帯血 / 免疫寛容 / CD45 / CD26 / T細胞サブセット |
研究概要 |
ヒトT細胞は細胞の成熟度により反応が異なる。新生児において、スーパー抗原性外毒素などの病原因子に対する免疫応答や病態形成が成人と異なるのは、細胞の成熟度の差に一部起因していると考えられる。我々は、各種の免疫反応を制御することで知られている制卸性T細胞に焦点をあてて、成熟度の異なる細胞系(ヒト胸腺、臍帯血、成人末梢血)で反応性の違いを検討した。 臍帯血由来の制御性T細胞は多くがnaive typeでFOXP3弱陽性であり、胸腺細胞と成人末梢血由来の制御性T細胞に比べて機能が低下していた。成人末梢血中では、従来報告されていたmemory typeの制御性T細胞は、FOXP3強陽性で十分な機能を保持していたが、このほかに臍帯血に類似したnaive typeの制御性T細胞が存在し、成人末梢血のmemory typeと臍帯血由来の制御性T細胞の中間的な機能を有することが明らかとなった。FOXP3蛋白の発現も、機能の低下に応じて発現レベルの低下を示していた。胸腺細胞では成人末梢血と同様にmemory typeとnaive typeの制御性T細胞が存在し、双方ともに同等のFOXP3蛋白発現を示した。一方、臍帯血由来の制御性T細胞は刺激増殖すると、成人末梢血や胸腺細胞の制御性T細胞にも増して非常に強い機能を獲得し、相応してnaive typeからmemory typeへの移行とFOXP3蛋白の劇的な増強がみられた。成人末梢血も培養により同様の変化を示したが、臍帯血ほどの変化ではなかった。胸腺細胞もまた軽度の機能亢進とFOXP3蛋白増強を示したが、CD45 isotypeの変化は逆で、memory typeからnaive typeへの移行が観察された。 以上より、胸腺細胞、臍帯血、成人末梢血への制御性T細胞の成熟過程において、FOXP3やCD45 isotypeの変化に伴う一連の流れが存在することが明らかになった。臍帯血が十分な潜在的機能を有しながらも見かけ上の機能低下を示すのは、出産というmaterno-fetal toleranceの破綻に関係していることが推測された。
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