研究課題/領域番号 |
16590383
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
五島 典 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70201499)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | HSV / US2遺伝子産物 / プレニル化 / 嗅神経 / 三叉神経 / 中枢神経系 / 中枢神経 |
研究概要 |
US2遺伝子はαヘルペスウイルス亜科間で保存されているが、その機能は明らかになっていない。過去の報告ではPseudorabis virus(PRV)のUS2蛋白はC末に蛋白プレニル化のシグナルであるCAAXモチーフを持ち、そのプレニル化はmembrane associationに必要であることが分かっている。(Amanda C.C et al. J.V 77:1285-12298)。一方、HSV2 US2タンパクもN末にPrenylation siteを持つ。HSV-2 US2が実際にプレニル化されているか調べるため、Vero細胞をプレニル化阻害剤であるロバスタチン存在下で感染させ、経時的にサンプルを回収しwestern blottingを行った。ロバスタチン存在の有無にかかわらず合成されたUS2蛋白の移動度が同じであったことからHSV2のUS2蛋白はプレニル化されていないことが示された。 次に、US2欠損HSV(US2Δ)とNGFによって分化誘導されるPC12細胞を使用してウイルスと細胞の相互作用を検討した。分化させたPC12細胞にUS2Δあるいは野性株を感染させ細胞内応答とUL18カプシド蛋白、VP16テグメント蛋白などのウイルス蛋白の細胞内局在について調べたところ、US2Δと野性株間でほとんど違いはみとめられなかった。 更に、マウスでのUS2遺伝子の病原性へのかかわりを調べるためにBALB/CマウスにUS2Δおよび野性株を経鼻接種したところ、生存日数にわずかながら差が認められた。感染マウスから作製した切片による組織学的検索では感染後5日で野性株(186)接種群においてはウイルスの嗅神経から嗅球への侵襲がみられた。しかしながらUS2Δ感染マウスでは嗅神経でウイルス抗原が認められるものの嗅球へ侵襲は認められなかった。感染6日後も同様の結果を示した。三叉神経核では両ウイルス感染マウスにおいて陽性所見が認められた。これらの結果からウイルス経鼻接種後の神経侵襲ルートは(1)嗅神経から中枢神経へ侵襲(2)三叉神経から中枢神経へ侵襲するルートがあり、US2Δウイルスは(1)のみであることが示唆された。
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