研究課題/領域番号 |
16590388
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
岩崎 琢也 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (90146027)
|
研究分担者 |
小池 智 東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (30195630)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 単純ヘルペスウイルス / 1型インターフェロン / レセプター / ステロイドホルモン / 免疫組織化学 / ウイルス抗原 / 中枢神経系 / 末梢神経系 / インターフェロン |
研究概要 |
人体に感染するアルファウイルスは主として接触により人から人に伝播し、一部のウイルス(水痘帯状疱疹ウイルスVZV)は空気感染で伝播する。接触により侵入したウイルスは皮膚・粘膜・結膜の扁平上皮に病変を引き起こすとともに、神経節に到達し、潜伏感染し、ときに再燃する。本研究では体表より侵入したウイルスがどのように神経に到達するかを解明することを目的とした。 Interferon α/βレセプター(Ifnα/βR)を保有したマウス(BALB/cあるいはC57BL/6)(WT)と欠損したマウス(KO)に予め偽妊娠状態を誘導し、排卵を停止する非経口的避妊ステロイドDepo-Proveraを腹腔内投与し、4あるいは5日後に単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)実験室株(strain 186)を非侵襲的に膣腔内に接種し、経時的にウイルス感染細胞の局在を解析した。対照としてDepo-Proveraを投与していないマウスに同様にHSV-2を接種した。 Depo-Provera処理を行うことにより、感染高率は100%となったが、対照の非処理マウスでは発症は観察されなかった。同量の致死量のウイルスを接種した同じマウス系統(C57BL/6)のWTとKOのウイルス接種後の経過はKOマウスがWTマウスに比し、麻痺ならびに死亡が1-3日早く進行し、1型インターフェロンがウイルス伝播に抑制的に作用していることを明らかにした。 接種マウスを組織学的に解析し、1型インターフェロンが感染細胞の局在にどのように影響しているかを検討した。WTとKOマウスともに最初の感染細胞は膣壁の扁平上皮であり、感染初期の扁平上皮の病巣には明らかな差異は無く、上皮の感染に関して1型インターフェロンの影響は見いだされなかった。一方、上皮下組織における感染動態は非常に異なり、KOマウスでは容易に感染細胞を検出した。従って、KOマウスの解析結果より、HSV-2は扁平上皮細胞、上皮下組織の非上皮細胞、末梢神経細胞の順にウイルスが伝播されていくことが示唆された。
|