研究概要 |
1.分泌組織特異的に発現する新規遺伝子Pi-aの解析 我々が発見した分泌組織特異的に発現する新規遺伝子Pi-a(1013a.a.)の解析の第一段階として免疫組織学にPi-a蛋白の組織局在、細胞内局在を行う目的で、Pi-aに対する抗体を作成した。 先ず、ヒトとマウスに共通のPi-a(C+961〜972)ペプチドに対する抗血清と組換え大腸菌で発現して精製した蛋白を用いてマウスpi-a全長/His tagに対する抗血清を作成した。これらの2種類の抗血清は各々免疫した抗原に対しては良好な抗体価が得られた。これらの抗体を用いて、マウスに対してウェスタン法により抗体の特異性を確認した。Pi-a mRNAの発現組織である下垂体と胃、腸に対してウェスタン法により抗体の特異性の確認を行ったところ、有意なシグナルは得られなかった。このため、新たな有用な抗体を得るべく、新たなペプチド抗体を作成した。 次に、マウスPi-aの3カ所(154-168,519-533,999-1013)に対してペプチドを合成して、家兎抗血清を作成した。これらはペプチドaffinityカラムで精製をした後も、もとのペプチドとの反応性は良好であった。これらのペプチド抗体を用いてマウスで、Pi-aのmRNAが高発現する胃や膵臓と発現レベルの低い膵臓とでPi-aタンパクの発現をウエスタン法で比較したが、Pi-aと思われる臓器間で発現レベルの異なるシグナルは得られなかった。 2.相同組換えによる遺伝子欠損マウスの作成 遺伝子の機能を見るための遺伝子欠失マウスを作成するために、遺伝子データベースよりマウスとヒトのゲノム構造と転写単位を解析し、蛋白を欠失するような相同組換え用vectorを作成した。 しかし、免疫組織学検討に有用な抗体が得られなかったことより、遺伝子欠損マウスの作成までは至らなかった。
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