研究課題/領域番号 |
16590492
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
小山 倫浩 産業医科大学, 医学部, 助教授 (00309965)
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研究分担者 |
川本 俊弘 産業医科大学, 医学部, 教授 (60177748)
杉尾 賢二 産業医科大学, 医学部, 助教授 (70235927)
一瀬 豊日 産業医科大学, 医学部, 講師 (80341494)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | lung cancer / CytochromeP450 / tumor marker |
研究概要 |
【研究の背景・目的】チトクロームP450(CYP)は、肝臓において抗癌剤などの薬物代謝を担う最も重要な酵素として知られている。CYPのサブファミリーの一つであるCYP3A4は塩酸シプロフロキサシンを活性化し、パクリタキセル、ドセタキセル、ビノレルビンやゲフィチニブを不活性化する。また、CYP2A6は5-エフユーや塩酸シプロフロキサシンを活性化する。しかし、肺癌においてCYP発現は明らかにされていない。今回、肺癌中のCYP発現と喫煙や職業歴などの環境因子や臨床病理学的因子との関連を検討し、肺癌中のCYP発現と肺癌のp53癌抑制遺伝子異常を比較した。 【対象・方法】肺癌患者78例(腺癌48例、扁平上皮癌30例)を対象とした。CYP1A1・CYP2A6・CYP2E1・CYP3A発現とp53異常発現は免疫組織化学染色により検出し、腫瘍細胞10%以上の発現例を陽性と判定した。ダイレクトシークエンスにより腺癌48例のp53遺伝子異常を検出した。 【結果】CYP発現は扁平上皮癌で認められず、腺癌におけるCYP1A1・CYP2A6・CYP2E1・CYP3Aの陽性1率はそれぞれ43.8%(21/48)、45.8%(22/48)、39.6%(19/48)、39.6%(19/48)であった。男性に比べ女性の腺癌で、早期の病理病期に比べ進行した病理病期の腺癌で、低分化に比べ、中・高分化の腺癌でCYPの陽性率は高値を示した。また、CYP2A6を除くCYP1A1・CYP2E1・CYP3Aの発現は正の相関関係を認めた。 さらに、肺癌中のCYP発現とP53癌抑制遺伝子異常には明らかな関連を認めなかった。 【考察】肺癌に発現しているCYPを検討することは、次の研究に有用であることが示された。(1)肺癌発症のメカニズム解明。(2)CYPを腫瘍マーカーとして臨床応用する研究。(3)CYPを標的分子とした分子標的治療の研究。(4)効果的な抗癌剤選別のマーカーとして臨床応用する研究。
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