研究課題/領域番号 |
16590506
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
牧上 久仁子 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (90238882)
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研究分担者 |
安村 誠司 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50220158)
石井 則久 国立感染症研究所, ハンセン病研究センター・生体防御部, 部長 (50159670)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 疥癬 / 院内感染 / 感染予防 / 精神科病院 / 療養病床 / 感染症予防 / 疫学 |
研究概要 |
疥癬の発生状況を把握するために、精神科病院と療養病床を有する病院計1795施設を対象に、疥癬患者の発生状況について、自記式調査票による調査を行った。741施設より回答があり(有効回答率41.1%)。うち333施設(回答数の44.9%)が2004年の1年間に疥癬患者が発生したと回答し、疥癬集団発生は159施設(21.5%)、角化型疥癬は51施設(6.9%)から報告があった。精神科病院および療養病床を有する病院で疥癬が流行していることが確認された。一般に集団感染の多くは角化型疥癬が感染源となって引き起こされていると認識されているが、本調査では集団感染を経験した施設の約80%は角化型疥癬患者の存在を認知していなかった。感染症管理の担当者は集団感染の感染源として見逃された角化型疥癬患者に注意すべきである。 疥癬集団感染の対策を講じるために、複数の集団感染が起こった施設の訪問調査を行った。10施設に延べ15回訪問し、感染源、感染拡大様式、感染制御策について検討した。根強い「発疹=疥癬」という誤解が、疥癬に対する過剰な対策の原因となっていた。しかし職員教育を行い、職員および患者の不安感を取り除いた上で、それまで行っていた対策の多くを中止しても、集団感染の再燃は起こらなかった。施設間、病棟間の患者移動が疥癬の感染拡大の機会となっているのが確認された。 再発例に注目して、300床の療養病床で42ヶ月間の疥癬の発生状況を調査した。153名(入院患者148名、職員5名)が疥癬に罹患し、複数回罹患した再発例は47名で、延べ233例の疥癬発症があった。最高6回疥癬と診断された患者がおり、職員の再発者はいなかった。全身状態不良な患者の角化型疥癬への移行、治療に反応して一度治癒と判定されたが再発症することなどが、集団感染の制御を困難にしていた。
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