研究課題/領域番号 |
16590514
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
大木 いずみ 自治医科大学, 医学部, 講師 (50296092)
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研究分担者 |
尾島 俊之 自治医科大学, 医学部, 助教授 (50275674)
中村 好一 自治医科大学, 医学部, 教授 (50217915)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 花粉症 / 疫学 / 危険因子 / 大気汚染物質 / ディーゼル車排出ガス / スギ花粉症 / 個人サンプラー |
研究概要 |
わが国では、スギ花粉症が報告されて以来、有病率は年々増加しており近年その傾向は著しい。抗原であるスギ花粉の増大、生活習慣、特に食生活で蛋白摂取量が増加したための食物抗原の増加やそれに伴う体質の変化、環境の変化としての住環境として密閉性の向上や内装材の変化、室内居住時間の延長による室内塵由来の吸入抗原の増加や大気汚染が影響を与えていると考えられる。中でも大気汚染のディーゼル車排気粒子についてはlaboratory-based研究において、アレルギー性炎症に関与することが明らかになっており、注目を集めている。しかし一方で疫学研究では結論が得られていない。本研究では科学的に測定できるものに焦点をあて、花粉量を考慮にいれた大気汚染曝露と疾病発生、増悪を疫学的に明らかにすることを目的とした。都内に住む同意の得られた20歳から65歳の女性714人を対象に、耳鼻科専門医の診断に基づいて症例(278人)と対照(255人)を判定し、花粉飛散シーズンである3月から4月の平日3日間に、ディーゼル排気微粒子および花粉を測定するサンプラーを用いて曝露を測定し、疾病との関連を観察した。ディーゼル排気微粒子は浮遊粒子状物質(TSP,SPM)、粒径2.5マイクロメーター以下の微粒子(PM2.5)を測定し、影響を評価した。大気汚染物質が花粉症に及ぼす影響を多変量解析を用いて観察した結果、個人サンプラーによるTSP,SPM,PM2.5の個人曝露量のいずれについても症例群が対照群に比べて有意に高いというオッズ比を示した項目は認められなかった。花粉の個人曝露量については、花粉曝露が多い者が少ない者に対して有意に高いオッズ比を示した。また、母親、父親にアレルギー疾患既往歴のある者が、ない者に対して高いオッズ比を示した。結論として今回の観察ではディーゼル排出ガスや大気汚染物質がスギ花粉症の発症リスクであることは認められなかった。
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