研究課題/領域番号 |
16590546
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
黒崎 久仁彦 東邦大学, 医学部, 教授 (60240701)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 古代遺跡 / 古人骨 / 損傷 / 古代武器 / 法医病理学 / 国際情報交換 / 中国 / 中国:メキシコ / 商(王朝) / テオティワカン遺跡 / 成傷器 |
研究概要 |
中国商代遺跡からの出土古人骨に見られた特異な損傷について、その成傷機序の解明を試みた。中国安陽市にある商代殷墟からの出土人骨192体のうち、生前・死後形成の別は不明であるが、有意と考えられる骨損傷を伴うものは18体(9.4%)であった。「商」の都は土塁による城壁に囲まれた城塞都市の形態をとっており、また当時の甲骨文字や後世の記述においても、「商」の時代に外敵である他民族(羌族など)との戦いが頻繁に行われていたことが知られている。これまで殷墟では王墓や建造物の遺構から生贄や殉死者と考えられる多数の人骨が出土しているが、今回これらとは別に庶民墓においても様々な損傷を伴う人骨(女性や小児のものを含む)の存在が明らかになったことは、殷墟の都城内で外敵との戦い(襲撃や殺戮)が行われたという史実を庶民レベルで裏付けるものとして、考古学的に極めて興味深い知見と考えられる。 生贄と考えられる人骨については、頭部と胴体が切り離された状態で埋葬されているものや、頭部が壷状の青銅器に入れられた状態で粉々に潰されているもの、頭蓋骨に水平断が加えられ冠部を何らかの容器として使用した痕跡があるものなどが多数認められたが、これら生贄人骨の写真およびこれらの人骨に見られた損傷の解析結果については、中国政府の正式な認可を受けてからでなければ発表ができないため、報告書作成現在発表許可申請中である。なお、当研究では、メキシコ・テオティワカン遺跡から出土した生贄人骨に見られた損傷についても解析(再現実験など)を行い、当時使用されていた黒曜石などの石器で形成された損傷と考えて矛盾がないことを確認した。
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