研究課題
基盤研究(C)
ベイズ理論は人工知能にも応用されている意志決定システムで、パターン分類のような曖昧なものに対する順応性、受容性を持った理論であることから、われわれはこの理論をはじめて画像診断の分野(造影超音波法)に臨床応用することに成功した(Radiology 229:798-805,2003)。今回の研究では診断機器の進歩に合わせて評価法の再検討(後ろ向き研究)を2001年11月から2003年8月までの連続した315例で、その結果に基づいて2003年9月から2005年4月までの連続した283例で前向き研究を行った。後ろ向き研究では、多くの造影パターンの中から、多変量解析で各腫瘍の診断に特有な因子を解析したところ、肝細胞癌の診断には動脈相でintratumoral vessels with homogeneous or heterogeneous enhancement、門脈相ではhomogeneous or heterogeneous enhancementが、転移性肝癌の診断には動脈相でperitumoral vessels、門脈相でring enhancementまたはperfusion defectが、肝血管腫では動脈相でperipheral nodular enhancement without tumorl vessels、門脈相でperipheral nodular enhancementが有意の因子となった。動脈相3因子、門脈相4因子を用い、ベイズの定理で最も高いpositive predictive valuesを示したパターンを疾患特異的として採用した。次に後ろ向き研究で作成したパターン認識を用いた肝腫瘤性病変の鑑別診断法を前向き研究として用い、腫瘍ごとに感度、特異度、正診率を検討した。その結果、肝細胞癌の診断は感度93.2%、特異度96.2%、正診率94.0%、転移性肝癌の診断は感度87.9%、特異度99.6%、正診率98.2%、肝血管腫の診断は感度95.6%、特異度94.1%、正診率94.3%と高い有用性を示した。
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