研究分担者 |
池田 一雄 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (80275247)
仲谷 和記 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60295699)
吉里 勝利 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20095516)
小原 政信 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60132479)
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研究概要 |
1998年より星細胞に発現する蛋白質を網羅的に解析するために星細胞プロテオームプロジェクトをおこない、ラット活性化星細胞に特異的に発現する分子群を同定した(Kristensen DB, Kawada N, et al. Hepatology 2000;32:268)。この過程で今回の研究の主体となったstellate cell activation-associated protein (STAP)を発見した(Kawada N, Kristensen DB, et al. J Biol Chem,2001;276:25318)。さらに、ヒト星細胞株からヒトSTAPもクローニングした(Asahina K, Kawada N, et al. Biochim Biophys Acta 2002;1577:471)。STAPは哺乳類でヘモグロビン、ミオグロビン、ニューログロビンにつぐ第4番目の新しいグロビン蛋白でありサイトグロビン(cytoglobin, Cygb)と命名された。Cygbはヘムの配位子がヒスチジンのイミダゾール基で占拠されている珍しいグロビンであり酸素や一酸化炭素結合能をもつ。肝臓のみでなく、膵臓や腎臓の線維芽細胞にも発現することが判明した(Nakatani K, Okuyama H, et al. Lab Invest,2004;84:91)。Cygb/STAPは星細胞の活性化とともに発現上昇し、内蔵臓器の線維化に重要な役割を果たす事が示唆されている。最近共同研究によりCygb/STAPの結晶解析に成功した(Sugimoto H, et al. J Mol Biol. 2004;339:873)。既に、種々の動物のCygb/STAP cDNAをクローニングしており、今後、ノックアウトマウスを用いた蛋白機能解析を行ってゆく予定である。
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