研究課題
基盤研究(C)
ヒト肝細胞癌株HuH-7、HepG2、PLC/ORF5にインターフェロン(IFN)-α(0-1000units/ml)およびIFN-β(0-1000units/ml)を投与し、IFNによるアポトーシス関連遺伝子の発現変化を解析した。その結果、Tumor Necrosis Factor-related Apoptosis Inducing Ligand(TRAIL)およびその受容体であるTRAIL-receptor2(TRAIL-R2)/death receptorr5(DR5)mRNAの著しい増加が確認された。また、抗アポトーシスシグナルの中では、cyclooxygenase-2(COX-2)mRNAの発現増強が認められた。工FNの投与は抗癌剤(5-FU)による肝癌細胞アポトーシスを増強した。IFN-βはIFN-αとの比較検討において、より強いアポトーシス増強効果を示した。IFN投与下におけるTRAIL/TRAIL受容体依存性アポトーシスシグナルを解析したところ、caspase-8依存性のdeath receptor経路の活性化が起こっていることが確認された。IFNによるTRAIL/TRAIL受容体シグナルの活性化と同時に、抗アポトーシスシグナルであるCOX-2の発現増強が塁こっていたことより、肝細胞癌における主要な抗アポトーシスシグナルはCOX-2依存性経路により介在されると考えた。COX-2阻害剤NS-398をIFNと同時投与したところ、著しいアポトーシスの誘導が認められた。ヌードマウスを用いた腫瘍皮下移植モデルによる検討では、COX-2阻害剤NS-398投与あるいはIFN-βの投与により、有意な腫瘍増殖抑制(50%inhibitionおよび46%inhibition)を認め、NS-398とIFN-βの同時投与により著しい腫瘍増殖抑制(86%inhibition)を認めた。
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