研究課題/領域番号 |
16590648
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
佐田 通夫 久留米大学, 医学部, 教授 (10162398)
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研究分担者 |
川口 巧 久留米大学, 医学部, 助手 (00320177)
吉田 隆文 久留米大学, 医学部, 助手 (30368899)
原田 大 久留米大学, 医学部, 講師 (00241175)
長尾 由実子 久留米大学, 医学部, 助教授 (90227992)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | C型肝炎ウイルス / インスリン抵抗性 / HOMA-IR / HCVコア抗原 / インターフェロン / 細胞内インスリンシグナル / Insulin receptor substrate / HepG2細胞 / insulin receptor substrate / ウイルス駆除 / トランスジェニックマウス / 免疫染色 / C型慢性肝炎 / 2型糖尿病 / ケース・コホート研究 / C型肝炎ウイルス高感染地区 / 一般住民 / C型肝炎ウイルスコア抗原 / SOCS-3 / インスリンシグナル伝達分子 |
研究概要 |
慢性肝疾患患者では高頻度にインスリン抵抗性の合併を認めるが、インスリン抵抗性発症の分子機構は明らかでない。我々は、様々な肝疾患患者の糖質代謝を詳細に検討することで以下の四つの事実を明らかにした。1)C型慢性肝炎患者は他の慢性肝疾患群に比べにHOMA-IRが有意に高値であった。2)インターフェロン治療によりC型肝炎ウイルスが駆除されたものではインスリン抵抗性の改善を認めた。3)C型肝炎ウイルスコア抗原が末梢血より検出される患者は検出されない患者に比べ有意に空腹時インスリン値が高値であった。4)ケース・コホート研究にてC型肝炎ウイルスコア抗原量が高値の住民はH : CV抗体陰性の住民に比べ、糖尿病の発症危険率は5.6倍高かった。以上の臨床的研究結果より、C型肝炎ウイルスコア抗原のインスリン抵抗性発現への関与が示唆された。C型肝炎ウイルスコア蛋白のインスリン抵抗性発症における分子機序解明のため、HepG2細胞にC型肝炎ウイルスコア蛋白遺伝子導入を行った。遺伝子導入後の細胞は、インスリン刺激によるPI3Kのリン酸化、Aktのリン酸化および糖の取り込みの障害が認められた。このことより、C型肝炎ウイルスコア蛋白遺伝子を導入することでHepG2細胞がインスリン抵抗性を示すことが証明された。細胞内インスリンシグナルの中心分子であるIRS1/2の発現を検討したところ、発現量の低下を認めた。IRS1/2の発現低下はHCVコア抗原トランスジェニックマウス肝組織およびヒトの肝組織においても同様に認められた。本研究によりC型慢性肝炎患者は、他の慢性肝疾患患者に比ベインスリン抵抗性が強いことが明らかとなった。また、インスリン抵抗性発現機序として、HCVコア抗原による細胞内インスリンシグナル伝達分子(IRS1/2)の発現低下が示唆された。
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