研究課題/領域番号 |
16590655
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
長谷部 直幸 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (30192272)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | レドックス制御 / 塩基除去修復機序 / 血管リモデリング / 動脈硬化 / アンジオテンシンII / 酸化ストレス / グルタチオン / Ape1 / 熱ショックタンパク / NADPH oxydase / MCP-1 / angiotensin II / 塩基除去修復機構 |
研究概要 |
GSHレドックス制御の破綻に伴う酸化ストレス亢進状態における、angiotensin II(A-II)のROS産生と血管リモデリングにおよぼす影響をカフ血管障害モデルにおいて検討した。Buthionine sulfoximine(BSO)の投与とA-IIの併用投与で、血管障害局所における新生内膜形成過程の修飾を検討した。A-IIによる昇圧反応、左室肥大形成はレドックス制御の破綻による有意な修飾を受けなかったが、血管壁の酸化ストレスは著明に亢進した。カフ傷害血管局所では、A-IIにより新生内膜肥厚は著明に促進されたが、レドックス制御の破綻環境下では、有意に抑制された。培養血管平滑筋細胞(in vitro)の検討と、in vivoの細胞学的検討から、この逆説的なリモデリング抑制は、新生内膜でのアポトーシスの促進と血管平滑筋細胞の増殖抑制が、炎症性白血球浸潤の抑制を介して発動されることを明らかにした。この現象は、血管壁応力の点で高圧条件に適応し得ない明らかな均衡破綻状態と言える。AP endonuclease(Ape1/ref-1)は、レドックス機序を介して各種転写因子への結合活性増幅や、アポトーシス促進に関与するBER機構の主要酵素である。今回の研究で、分離ヒト白血球より新たにApe1 DNAを精製し、リポフェクタミン法でT293cellに導入確認した。pcDNA/Ape1のadenovirusへの組み込みに成功し、傷害血管局所にApe1を過剰発現させることが可能になった。同時に行ったマウスワイヤー傷害血管モデルめ解析では、傷害血管局所においてApe1 geneの著明な発現亢進が確認され、血管リモデリングの過程にApe1が重要な役割を担うことが明らかとなった。これらの成績から、BER機構の調節による抗酸化修復機序が、生体において抗動脈硬化作用を発揮する新たな過程が明らかにされ、今後、血管リモデリングの抑制における新たな治療ターゲットとして確立されるものと期待される。
|