研究課題
基盤研究(C)
心房細動の発生・維持に肺静脈を起源とする異常興奮が重要な役割を果たすことが示唆されている。本研究では、肺静脈における異常興奮発生の分子基盤を明らかにするとともに、心房細動発生における伸展活性化チャネルの関与について検討した。(1)肺静脈におけるイオンチャネル発現:ウサギおよびラット肺静脈におけるイオンチャネルmRNA発現を定量的PCR法で計測し、その蛋白発現分布を免疫組織化学により調べた。生理的自動能の形成に重要な過分極活性化内向き電流チャネル(HCN1,HCN4)やL型Caチャネル(Cav1.3)は洞房結節に多く発現していたが肺静脈では心房筋よりも少なかった。肺静脈における内向き整流Kチャネル(Kir2.1,Kir2.2)やNaチャネル(Nav1.5)の発現は心房筋よりも少なかった。また、細胞内Ca調節蛋白(ryanodine receptorや筋小胞体Caポンプ)の発現も肺静脈では心房筋よりも少なかった。これらより、肺静脈では、興奮伝導遅延を基盤とするリエントリーや、細胞内Ca調節異常によるtriggered activityが生じやすい基質を有していると考えられる。(2)伸展活性化チャネルの関与:ウサギ摘出灌流心の心房に静水圧を加えると、圧依存性に心房細動の誘発性が高くなり、持続時間が延長した。非特異的な伸展活性化チャネル阻害剤Ga^<3+>は圧負荷に伴う心房細動の発生を抑制した。伸展活性化チャネル阻害作用を有するタランチュラ毒素GsMtx-4の活性中心ペプチド(TVP003,TVP017)やCl^-チャネル阻害剤は圧負荷による心房細動の受攻性には変化を与えなかった。心房細動の発生には伸展活性化チャネルが関与している可能性が示唆された。チャネルタイプの同定と心房における発現の確認が必要である。
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