研究課題/領域番号 |
16590675
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
清水 敦哉 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (50345914)
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研究分担者 |
神谷 香一郎 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (50194973)
本荘 晴朗 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (70262912)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 骨格筋芽細胞 / 細胞移植 / 融合細胞 / 電気生理学的特性 / 不整脈 / 電気生理学的な特性 |
研究概要 |
近年障害を受けた臓器の機能を再生させる目的で細胞移植治療に関する研究が進められている。循環器分野でも、不全心へ多様な細胞を移植することによって心機能が向上することが基礎研究から確認された。これらの研究に基づいてヒト不全心への細胞移植が試みられ、その結果致死性不整脈が高頻度に出現することが確認された。今後心臓への細胞移植研究が進展し、細胞移植による心機能回復率がさらに向上したとしても、その実用化には致死性不整脈の制御は避け得ない重要な課題であると考えられる。従って、我々の研究室では細胞移植を受けた心臓の"致死性不整脈の発生機序に関する検討"を進めた。本研究では、ヒト心臓への細胞移植が既に報告されていた骨格筋芽細胞を検討対象とした。 平成16年度:骨格筋芽細胞の電気生理学的特性に関して検討した。この結果(1)骨格筋芽細胞は-100mVの深い静止膜電位にあり、筋管細胞へ分化する直前に静止膜電位が大幅に上昇すること(2)筋管細胞分化後は-40mVの浅い静止膜電位で安定すること(3)筋管細胞では小刻みの自発的収縮を繰り返し認めること(4)筋管細胞は隣接細胞との間に電気的連関が全くないことを明らかとした。 平成17年度:骨格筋芽細胞と心筋細胞の電気生理学的関連性に関して検討した。この結果(5)筋管細胞は周辺の心筋細胞とは電気的に独立しており、筋管細胞が心筋細胞間の電気的連関を妨害すること(6)ごく一部の筋管細胞は心筋細胞との間で細胞融合を生じること(7)筋管・心筋融合細胞には、心筋細胞型の電気生理学的特性を示すものや骨格筋細胞型電気生理学的特性を示すものがあること(8)一部の融合細胞は周辺心筋細胞と同調した収縮を起こすことを明らかとした。 これらの結果から、移植された細胞が電気的に周辺心筋と独立した場合には心筋内の興奮伝播の障壁となることによって、一方、移植された細胞が心筋細胞と融合し電気的連関を周辺細胞との間に獲得した場合には電気的な不均一性の増大によって、致死性不整脈が出現すると考えられた。
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