研究概要 |
慢性心不全患者で1H-MRSを用いて心筋代謝の指標として、心筋クレアチンレベルを測定した。その結果、心筋クレアチンレベルは心不全重症度に従い低下し、左室機能低下や心室リモデリングと相関を認めた。さらに、心筋クレアチンレベルの低下した患者は有意に心臓血管事故が多かった。したがって、MRSを用いた心筋代謝の測定は臨床的に有用である可能性が示唆された.犬心不全モデルを用いたプロテオーム解析では、心不全で20スポットにおいて有意な変動が認められ、中でもalpha Bcrystalline, heat shock protein (HSP) 27,HSP20が増加しておりsmall HSPsのリン酸化が心室リモデリングの進展に関与していることを報告した. 心不全診断、重症度評価、予後、心室リモデリングの評価として有用であるBNP濃度が腎臓機能の影響を受けるか否かを366人の患者において冠状静脈洞と大動脈でBNP濃度を測定、同時に計測した血行動態と腎臓機能などを用いて多変量解析した。その結果、クレアチニンクリアランスが60ml/min以下の患者では、心臓からの分泌量が同じでも血中濃度は腎臓からの排泄低下の影響を受けて約2-3倍に上昇することを明らかにした。したがって、BNP濃度を評価するときには同時に腎臓機能を会わせて評価する必要があることが明らかになった(J Am Coll Cardiol.200647:582-586).さらには、NT-proBNPとBNPの有用性の比較を、慢性心不全と安定狭心症で評価した(Eur J Heart Failure,2007;,Circ J,2007).さらには、メタボリック症候群の重要な因子であるアデイポメクチン濃度が、慢性心不全で上昇して心不全患者予後指標として有用であることを、我が国の患者を対象として初めて報告した(EurHeart J,2007,in press).
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