研究課題/領域番号 |
16590728
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 国立循環器病センター(研究所) |
研究代表者 |
日野 純 国立循環器病センター(研究所), 生化学部, 室長 (40260351)
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研究分担者 |
寒川 賢治 国立循環器病センター(研究所), 副所長 (00112417)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | BMP-3b / 心・血管系 / 動脈硬化 / 石灰化 / 血管平滑筋細胞 / 心血管系 |
研究概要 |
BMP-3bの心・血管系での機能解析のために、本遺伝子の発現調節を循環器系組織(血管、心臓)および培養細胞(血管平滑筋細胞、心筋細胞)において行った。血管組織には、多く発現しており、内皮細胞を除去した血管組織でも発現量の変化がないことより、血管平滑筋細胞において発現していることが解った。初代培養血管平滑筋細胞での検討からは、本遺伝子が高度に分化した状態でより多く発現しており、骨芽細胞での発現パターンと同様の特徴を示した。心臓組織においても、本遺伝子は発現しており、その分布は、心房での発現量が心室よりも多く、従来BMPの機能が知られていない心房での新しい生理作用が予想される。また培養細胞レベルでは、心筋細胞に発現が認められた。次に疾患との関連を明らかにするため、心疾患モデルラットにおける発現調節解析を行った。その結果、疾患部位である心室細胞において、本遺伝子発現が顕著に増加しており、BMP-3bの心疾患における重要な役割が示唆された。実際の生理活性については、アデノウイルスベクター発現系を用いて行った。その結果、血管平滑筋細胞においては、増殖促進作用を示す傾向が見られ、その作用は、BMP-2と桔抗しており、BMPファミリーのアンタゴニストとして機能していることが推測される。なお、BMPアンタゴニストとしての作用は、私達が証明した発生初期段階におけるBMP-3bの作用メカニズムと一致している。また、すでに報告したように、BMP-3bは、成熟体だけでなく前駆体たんぱく質にも異なる活性を有するという従来にないユニークな特徴を有しており、プロセシングによる活性の制御が機能調節に重要な役割を果たしている。このプロセシングを実行する酵素の同定を試みた。方法は、本因子の有する初期胚における頭部誘導活性を指標として用い、その結果、furinファミリーに属するPC6がBMP-3bのプロセシング酵素であることを証明した。従来のリガンドレベルからの機能解明研究に加え、これまでのアプローチとは異なるプロセシング酵素を用いた解析系が可能となったことより、今後も、さらに充実した研究成果の期待できるテーマと考えている。
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