研究課題
基盤研究(C)
腎臓では多種のプロスタノイドが産生され、またそれぞれのプロスタノイドにおいても様々な受容体サブタイプが局在することが知られている。しかし、このような多様性を持つプロスタノイドの腎臓内分布の理由については未だ解明されていない。その一方で、近年COX2選択制阻害薬が消炎鎮痛薬として認可されるに至り、新たなNSAID腎症を生じる危険性が高まっている。本研究ではCOX2により産生されるPGF_<2α>についてその腎臓内での局在や生理学的機序、COX2から同様に産生されるPGE2との相互作用について検討した。結果、PGF_<2α>はPGE2の受容体であるEP1,EP3受容体に結合しナトリウム利尿作用を抑制する一方、PGF_<2α>固有の受容体であるFp受容体との結合ではバゾプレッシンの作用を抑制することで水利尿を図る多重の生理学的作用が存在することを明らかにし、今まで不明であったCOX2産生プロスタノイドの相互作用を明らかした。さらに、これまで卵巣などの培養細胞ではPGF_<2α>受容体であるFp受容体の細胞内情報伝達系はGq蛋白と共役すると報告されていたが、今回の我々の検討によりウサギ腎臓からの単離集合尿細管、ヒト胎児由来腎臓細胞であるHEK293いずれにおいても腎臓のFp受容体はGo/i蛋白と共役する細胞内情報伝達系を介することが明らかとなり、同一受容体でも臓器により異なる細胞内情報伝達系を介する機序の存在を明らかにした。
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