研究課題/領域番号 |
16590819
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 国立精神・神経センター (2005) 信州大学 (2004) |
研究代表者 |
中村 昭則 国立精神・神経センター, 遺伝子疾患治療研究部・細胞治療研究室長 (10303471)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ジストロフィン / マトリックスメタロプロテアーゼ / MMP-2 / MMP-9 / mdxマウス / ジストロフィー犬 / 筋再生 / Side population細胞 |
研究概要 |
Matrix metalloproteinases (MMPs)は細胞外マトリックス成分の分解の主役を担う酵素群であり、組織のremodellingにおいて重要な役割を果たす一方、癌や拡張型心筋症などにおいて活性調節機構が破綻していることが報告されている。我々はこれまでに、ジストロフィン欠損マウス(mdx)の骨格筋でMMP-9が高発現していることを報告した(Nakamura et al.,BBA2005)。また、正常筋における実験的壊死・再生系においてもMMPの発現が増加していることから、これらの分子がジストロフィー変化や筋壊死・再生の機序に関与している可能性について検討を行ってきた。筋ジストロフィー犬の骨格筋を用いた検討では、MMP-2、MMP-9およびこれらの活性調節分子であるMT1-MMP、MMPの内因性阻害因子であるTIMP-1、TIMP-2のmRNAレベルの増加が見られた。また、ゼラチンザイモグラム法を用いた検討では、筋ジストロフィー犬の骨格筋におけるMMP-2、-9の活性が正常対照群と比較し著しく高いことや、in-situザイモグラムにおけるMMP-2、-9の局在は、壊死・再生部位と一致していることを明らかにした。免疫組織化学法ではMMP-9は浸潤炎症細胞と共局在を示し、炎症反応との関連が示唆されたものの、MMP-2の局在は筋ジストロフィー犬では抗体の反応性等の問題があり検討は困難であった。そこで、正常マウスにおける実験的壊死・再生系およびmdxマウスの骨格筋において検討したところ、再生線維周囲の間葉系線維芽細胞と考えられる細胞に局在していることが明らかになった。さらに、MMP-2陽性細胞の性格を明らかにするため、Fluorescence achvated cell sorting (FACS)によって分取したマクロフォージ、筋衛生細胞およびCD31 (-) CD45 (-) side population細胞(SP細胞)を用いてRT-PCRによる解析を行ったところ、MMP-2はCD31(-) CD45 (-) SP細胞にのみ発現していたことが明らかになった。CD31(-) CD45 (-) SP細胞が筋再生を促進する役割を有すると考えられていることから、MMP-2が筋再生における細胞がマトリックスのremodelingに関与している可能性が考えられた。
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