研究課題/領域番号 |
16590827
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
川又 敏男 神戸大学, 医学部, 教授 (70214690)
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研究分担者 |
前田 潔 神戸大学, 医学部, 教授 (80116251)
小野 功貴 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (10243297)
向井 秀幸 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助教授 (80252758)
高橋 美樹子 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 講師 (90324938)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 認知症 / アルツハイマー病 / 神経細胞死 / タウ蛋白 / 蛋白リン酸化酵素 / 蛋白脱リン酸化酵素 / 細胞内シグナル伝達 / 遺伝子異常 / 細胞内ジグナル伝達 / 蛋白合成 |
研究概要 |
アルツハイマー型認知症(AD)や前頭側頭型認知症(FTD)では病態背景にタウ蛋白代謝異常が存在する。その下流で疾患進行に伴いシナプス変性を含む進行性機能障害を示しながら脳の広汎な神経細胞死に至る機序を明らかにするため、タウの機能調節に関与するリン酸化酵素(PKN・PKC・PKAなど)・脱リン酸化酵素(PP2B・PP2Aなど)と活性複合体を形成する巨大蛋白分子Centrosomal and Golgi PKN anchoring protein(CG-NAP)の培養ニューロンおよび脳内の分子局在を検討すると共に、タウ遺伝子異常などを持つ家族性認知症家系の病態病理を解析した。 免疫組織化学法による解析の結果、初代培養ラット神経細胞、成体マウス・ラット脳組織、あるいは対照老人・AD・FTD患者の脳組織において、CG-NAPは神経細胞に限局して存在し、神経細胞内部では明らかな中心体局在を示さず、細胞体および神経突起近位部の細胞質に分布していた。また、ADでは老人斑内外の変性神経突起や神経細胞内原線維変化に、FTDでは腫大した変性神経細胞体に同分子は蓄積することを明らかにした。さらにPKCやPKN等の下流にあり細胞内蛋白合成に関与するp70 S6 kinaseがニューロン細胞質に粗大顆粒状に分布し、AD患者脳組織で老人斑や細胞内タングルなど特徴病理構造に蓄積することを発見した。 家族性認知症に関する検討の結果、受容体型蛋白リン酸化酵素やスフィンゴ脂質合成関連酵素の遺伝子異常が示唆される認知症患者脳で広汎な神経細胞死とそれに先行するグリア細胞の炎症性活性化を明らかにした。また、FTD及びパーキンソニズムを臨床的特徴とする家族性認知症家系では、タウ遺伝子異常を発見すると共に前頭葉・側頭葉皮質と共に黒質・淡蒼球・視床下核など出力部を中心とする基底核回路系に強い神経・グリア細胞の変性を明らかにした。
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