配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
研究概要 |
【目的】眼咽頭筋ジストロフィー(OPMD)は40歳以降に発症し,眼瞼下垂,嚥下障害,四肢筋力低下を主徴とする常染色体優性疾患で,原因遺伝子はpoly(A)-binding protein nuclear 1 (PABPN1,PABP2)である.その発生機序の解明と治療法開発を目的として,OPMDの細胞・動物モデルを用いて検討した.【方法】1)PABPN1の上流、下流の関連遺伝子の動態や他の新規関連遺伝子を同定する目的で、マイクロアレイ解析をセットアップした。Gene chipはAFFYMETRIX Murine Genome U74 Setを選択し、36000種のmRNAをモニター可能とした.サンプルは私共が世界で最初に開発したヒトPABPN1の(GCG)9すなわちAlanine13を発現させたトランスジェニックOPMDモデルマウスのM43ラインと正常(GCG)6すなわちAlanine10を発現する正常モデルマウスを対象とし、各々18カ月齢と、4週齢のラインの筋組織を用意した.2)正常PABPN1 cDNAと(GCG)13の変異型を発現させたモデル細胞において,アミロイド凝集抑制効果を持つCongo redとドキシサイクリンを投与し,核内封入体(PABPN1)と細胞死の抑制効果を検討した.3)OPMD筋病理の特徴であるrimmed vacuole (RV)の意義を調べるため、"RVを伴う遠位型ミオパチー(DMRV)"のヒト筋を用いて免疫組織学的に検討した。対象はOPMD患者3家系5例、GNE遺伝子のV572L/V572L変異のDMRV4家系5例、G295D/A631V変異のDMRV1家系3例、筋強直性ジストロフィー3例、Emery-Dreifuss型2例RVの形成過程に糖鎖修飾を受ける膜タンパク質に着目し、αジストログリカン(DG)の免染とWestern-blotを試みた.【結果】1)発現が減少したものだけでも120種の遺伝子が存在していた。現在、その中から病態への関与か高いと思われるものを絞って検討を継続中である.2)コンゴーレッドおよびドキシサイクリンのいずれにおいても、有意にOPMDモデル培養細胞の核内PABPN1異常凝集が抑制され、核の分葉化を指標とする細胞死も有意に抑制された.3)DMRVでは0型の糖鎖異常をきたし、OPMDではその異常はきたしていないことを明らかにした.
|