研究課題/領域番号 |
16590837
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
樋口 逸郎 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (80183573)
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研究分担者 |
高嶋 博 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80372803)
納 光弘 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10041435)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | Ullrich病 / Bethlem myopathy / collagen VI / collagenopathy / lamininβ1 / NG2 proteoglycan / experimental therapy / tenascin C / CD44 / 実験的治療 / laminin β1 |
研究概要 |
Ullrich型先天性筋ジストロフィー(Ullrich病)は生下時〜幼少時から筋力低下、筋萎縮を認め、近位関節の拘縮と遠位関節の過伸展を特徴とする常染色体劣性の進行性筋疾患である。 我々は本症の病因であるcollagen VI蛋白欠損をはじめて明らかにし遺伝子異常(COL6A2遺伝子のホモのフレームシフト変異)を報告したが、同じくcollagen VIのヘテロ遺伝子異常を有する常染色体優性遺伝の良性ミオパチーであるBethlem myopathyの1家系についても、遺伝子異常(COL6A1遺伝子のヘテロの塩基置換変異)を確定した。 筋病理学的にはUllrich病ではcollagen VIが欠損していたが、Bethlem myopathyではcollagen VIの染色性は保たれていた。一方Bethlem myopathyでは筋基底膜部分でのlamininβ1の染色性低下が認められたが、Ullrich病では保たれていた。NG2 proteoglycanはUllrich病の筋膜で発現が低下していたが、Bethlem myopathyでは正常に発現していた。このように両疾患では細胞外マトリックス分子に質的に異る変化を来しており、それぞれの特徴的病態形成に関与する可能性がある。 最近重症例のBethlem myopathyや比較的軽症例のUllrich病の報告もあり、collagen VIの遺伝子変異によるcollagenopathyの病態を明らかにするためより多くのUllrich病およびBethlem myopathy患者における臨床病型、collagen VI蛋白異常および遺伝子異常の比較検討が必要である。 Ullrich病患者の線維芽細胞を用いた実験的治療では、NMDのkey enzymeであるhSMG-1の抑制により変異collagen VI蛋白質の細胞外マトリックスへの取り込みと機能の部分回復をもたらすことが明らかになり、治療の標的となる可能性が考えられた。
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