研究課題
基盤研究(C)
(1)日本人の2型糖尿病の発症、進展のメカニズムの解析経静脈グルコース負荷試験の際の血糖値の低下は、インスリン分泌(AIR)、末梢組織(主に骨格筋)への糖取り込みに特異的なインスリン感受性(SI2^*)、インスリン非依存性(グルコース濃度依存性)糖取り込み(SG2^*、グルコース作用)、肝臓のインスリン感受性(HIS)、糖負荷に対する内因性糖放出(EGP)の抑制などにより規定される。75gOGTT正常型32名、IGT/IFG15名、空腹時血糖値126mg/dl未満の2型糖尿病11名を対象に安定同位体標識グルコース負荷試験を施行した成績をまとめ、耐糖能低下のメカニズムを解析した。結論耐糖能、糖負荷後の血糖値の維持には、AIRに加えて末梢組織への糖取り込みを促進するインスリン感受性が重要な役割を果たす。AIRが低い者では、インスリン感受性の低下が耐糖能の低下、糖負荷後の血糖値の上昇を起こす可能性がある。一方、空腹時血糖値の維持には、AIRに加えて、肝臓のインスリン感受性、インスリン非依存性糖取り込みが重要であり、負荷後の血糖値とは一部異なったメカニズムで制御されている。(2)運動とインスリン作用、グルコース作用の増強の関係裏面の雑誌論文に示す様に、健常者において、継続的あるいは急性の運動により、インスリン作用、グルコース作用が増強されることを示した。肝臓のコンパートメントを加えた新たなモデル(Am J Phyisol 288:E1038,2005)を用いて、内因性糖放出(EGP)抑制に関わるインスリン作用(hSI2)、グルコース作用(hSG2)を求める方法を考案し、学会発表を行い、論文投稿中である。
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