研究課題/領域番号 |
16590927
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
曽田 泰 東京大学, 医科学研究所, 助手 (00361618)
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研究分担者 |
東條 有伸 東京大学, 医科学研究所, 教授 (00211681)
川崎 広明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60332623)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | フィラデルフィア染色体 / 急性リンパ性白血病(ALL) / 遺伝子治療 / bcr-abl / RNAi / HIVベクター / 急性リンパ性白血病 / shRNA |
研究概要 |
本研究では、灘治性で予後不良なフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph^+ ALL)の遺伝子治療法開発のため、P190タイプbcr-abl遺伝子を標的とする短鎖ヘアピン型RNA(shRNA)がPh^+ ALL細胞の増殖を抑制するか検討した。bcr-ablの融合部位を標的とする21および27-merのshRNA、c-ablを標的とする21-merのshRNAそれぞれ複数個設計した。スクリーニングの結果より、抑制効果が優れたshRNAを数種類選択した。次にこれらのshRNAを発現するHIV(VSV)ベクターを作製し白血病細胞株に対する効果を検討したところ、bcr-abl標的21-mer shRNAはPh^+ ALL細胞選択的に殺細胞効果を示したが、効果は一過性であった。また、27-mer shRNAはほとんど効果を示さなかった。一方、c-abl標的shRNAはPh^+ ALLおよびCML細胞(P210^<BCR-ABL>発現)両者に対して強力な殺細胞効果を示した。さらにimatinib耐性細胞に対する効果を検討するために、P190^<BCR-ABL>発現Ba/F3細胞を用いた系で生存に与える影響を検討した。bcr-abl標的21-mer shRNAおよびc-abl標的shRNAは野生型およびimatinib耐性変異型P190^<BCR-ABL>発現細胞に対して殺細死をほぼ完全に誘導した。一方、27-mer shRNAの効果はこれらのshRNAに比べて弱かった。さらにPh^+ ALL細胞に対する殺細胞効果は21-merのshRNAについてはP190^<BCR-ABL>発現抑制の程度と相関していると考えられたが、27-merのshRNAの効果が弱い原因の解明は今後の課題である。今後さらに、これらのshRNA発現HIVベクターの患者由来白血病細胞に対する効果および正常造血細胞に対する影響を検討する必要があるが、shRNAによるbcr-abl遺伝子発現抑制はPh^+ ALLの遺伝子治療法としそ有用な可能性が示唆された。
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