研究課題
基盤研究(C)
ヒト造血幹細胞による長期造血・免疫系の再構築を目指して、約100匹のC57BL/6マウスあるいはBDF-1マウスをレシピエントとしたヒト骨髄細胞の移植を行った。その結果、すべてのマウスで6ヶ月以上に亘り、骨髄腔内でのヒト造血の維持を確認している。ヒト造血細胞の比率は、フローサイトメトリーにて2-5%であることが確認されている。また、移植を受けたマウスにおいて、明らかな移植片対宿主反応(GvHD)の兆候を認めておらず、われわれが選択した移植法である「骨髄腔内直接注入法」が、GvHDを回避するために有用な手段であることが強く示唆された。また、「骨髄腔内直接注入法」によってのみ証明可能であるヒトCD34陰性造血幹細胞の特性についても、一部の実験で、NOD/SCIDマウスをレシピエントとする移植によって、これまで最も未分化であるとされてきたCD34陽性造血幹細胞とは異なるものであることを発見し報告した。加えて、現在臨床の場で応用されている「免疫磁気ビーズ法によるCD34陽性造血幹細胞の純化」によって、ヒトCD34陽性造血幹細胞の増殖・分化の能力が一部損なわれる可能性のあることも見出し報告した。これまでの移植実験によって明らかにしてきたヒト造血幹細胞の特性を踏まえて、C57BL/6あるいはBDF-1マウスをレシピエントとした移植方法の改善について検討を加え、長期に亘ってヒト造血細胞比率がさらに高いレベルで維持可能な異種間移植系をさらに発展させていく予定である。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (9件)
Stem Cells 23
ページ: 619-630
Leikemia 18
ページ: 912-921
Blood 103
ページ: 4478-4486
Leukemia 18
Int.J.Hematol. 79
ページ: 328-333
10013081994
ページ: 566-574