研究課題/領域番号 |
16590959
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
大嶺 謙 自治医科大学, 医学部, 助手 (90316521)
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研究分担者 |
永井 正 自治医科大学, 医学部, 助教授 (40237483)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 慢性骨髄性白血病 / 薬剤耐性 / BCR / ABL / imatinib / RhoA / KCL22SR / ヘム / グルタチオン / Nrf2 / Faenesyltransferase阻害薬 / UCN-01 |
研究概要 |
BCR/ABLキナーゼ阻害薬imatinibは慢性骨髄性白血病に対する有用な分子標的薬であるが、同剤の耐性機序の解明と有効な克服法の開発は重要な課題である。 1.DNAマイクロアレイ法による、BCR/ABL陽性白血病細胞株KCL22とimatinib耐性株KCL22/SRとの遺伝子発現プロフィールの比較から、情報伝達系関連分子RhoAの耐性株における高発現が明らかとなった。新たなimatinib耐性株K562/SRとKU812/SRにおけるRhoAの発現をWesternblot法を解析し、特にKU812/SRで発現がきわめて増強していることを見いだした。 2.新規Chk1阻害薬UCN-01をimatinibに併用することによりimatinibの耐性克服が可能であるか検討した。imatinib耐性BCR/ABL陽性細胞株は両剤の併用によってもアポトーシスの誘導がみられず、一方でG_0G_1期にある細胞比率の増加を認めた。さらにisobologramで細胞増殖に対する効果を検討した結果、何れの耐性細胞株でも相乗的増殖抑制効果は認められず、一部の細胞株ではむしろ拮抗的に作用した。従って、細胞周期に抑制的に作用する分子標的薬はimatinibの作用を阻害する可能性がある。 3.様々な細胞内因子の機能調節に関与しているヘムのimatnib感受性への影響について検討した。hemin存在下で、KCL22細胞に対するimatinibのIC_<50>値は3.17倍に増加し、アポトーシスが誘導され、アポトーシス関連分子の増加が抑制された。heminはimatinibによるリン酸化BCR/ABL量の低下を阻害しなかったことから、BCR/ABLキナーゼ活性非依存的に作用しているものと推察された。更に、KCL22細胞にheminを添加することでYGCS遺伝子プロモーター活性の上昇および細胞内グルタチオン(GSH)濃度の増加を認めた。以上からヘムはimatinib感受性の調節に重要であり、その機序の一端はGSH合成系を介しているものと推察された。
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