研究課題
基盤研究(C)
SP6プロモーターを利用したin vitro翻訳マウス脾臓由来cDNAライブラリーを作製し、in vitro sumoylation assayのよりSUMO修飾基質の同定スクリーニングを行った。約100クローン中5クローンが陽性で、活性化T細胞転写因子NFAT1が同定された。全長NFAT1はin vitro sumoylation assayやSUMO-1との共発現でSUMO修飾された。3つのリジン残基のmutagenesisによる変異NFAT1ではリジン684と897がSUMO修飾され、リジン684はリジン897の修飾後に修飾されたことが判明した。細胞内局在では正常NFAT1が非刺激状態で細胞質内に、刺激状態で核内に存在する。リジン897のSUMO修飾はNFAT1の核内保持の重要であった。ルシフェラーゼによる転写活性の検討で、リジン684のSUMO修飾が転写活性を促進した。T細胞の活性化に重要なNFAT1はリジン684、897がSUMO修飾され、リジン684のSUMO修飾はリジン897の修飾に必要であり、転写活性亢進に関与していた。一方、リジン897のSUMO修飾は核内保持に重要であった。これはT細胞における免疫抑制を考える上で重要な発見である。GFP-SUMO-1強制発現ヒト白血病細胞株K562(K562/SUMO-1)での抗癌剤処理のSUMO化動態とその意義について検討した。各種抗癌剤処理でGFP-SUMO-1の局在が変化し、3群に分けられた。TPA処理では核内に均一に見られ、ミトキサントロン処理では核内ドットの形成が見られた。K562にGFP-SUMO-1を強制発現させると、TPAやミトキサントロンに対する細胞の感受性が増強し、アポトーシスが誘導された。抗癌剤のアポトーシス感受性はSUMO化により増強され、SUMOタンパク質は癌の分子標的になり得る。
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