研究課題/領域番号 |
16590978
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
膠原病・アレルギー・感染症内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
友成 章 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30323645)
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研究分担者 |
高橋 聡 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (60226834)
東條 有伸 東京大学, 医科学研究所, 教授 (00211681)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 臍帯血移植 / ヒトヘルペスウイルス6 / 移植片対宿主病 / 白血病 / PCR / 脳炎 / 肝障害 / 皮疹 / 生着不全 / サイトメガロウイルス |
研究概要 |
ヒトヘルペスウイルス-6(HHV-6)は、同種造血幹細胞移植後に肺炎、脳炎などの種々の感染症の原因となる。HHV-6はバリアントA(HHV-6A)とB(HHV-6B)に分類されるが、移植後の合併症に関連するのはほとんどがHHV-6Bである。少数の小児例では臍帯血移植(CBT)後にHHV-6Bの再活性化が比較的高率であると報告されている。本研究では、当施設でCBTを施行された成人患者を対象として、経時的に採取された血清中のウイルスDNAを高感度のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるアッセイ系で定量することにより、CBT後のHHV-6の再活性化の臨床的な意義を検討した。 まず最初に2000年10月から2003年6月に当施設でCBTを受けた18才から52才の成人患者23例を対象として、CBT後、1から4週の保存血清からHHV-6BのDNAの検出と定量を試みた。その結果、CBT後1週で0例(0%)、2週で15例(65%)、3週で16例(70%)、4週で3例(13%)においてHHV-6BのDNAが検出された。また、23例中20例(87%)において少なくとも1度はHHV-6BのDNAが検出された。同時期に当施設で非血縁者ドナーから骨髄移植を受けた成人患者21例では、移植後2週あるいは3週で合わせて4例(19%)でHHV-6BのDNAが検出されたのみであり、CBTと比べて有意に低率であった。次に、HHV-6B感染とCBT後早期の皮疹との関連性を検討した。皮疹出現例では非出現例に比べて、CBT後3週でのHHV-6BのDNAの検出率は有意に高かった(88% vs. 14%)。 同様の方法を用いて今度はHHV-6Aの検出を試みた。その結果、1例においてCBT後、1から4週でHHV-6AのDNAが検出された。この症例では同時期に、一過性の発熱、皮疹、肝障害が認められた。CBT後のHHV-6A感染症の初めての報告である。 以上のことから好中球生着以前のCBT後早期におけるHHV-6感染についてリアルタイムPCR法を用いて評価することが可能であった。今後はさらに多数例の解析を行い、CBT後のHHV-6の再活性化の臨床的な意義を決定したい。
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