研究課題/領域番号 |
16590990
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
膠原病・アレルギー・感染症内科学
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
錫谷 達夫 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40196895)
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研究分担者 |
橋本 浩一 福島県立医科大学, 助手 (50322342)
棟方 充 福島県立医科大学, 教授 (00209991)
斎藤 純平 (斉藤 純平) 福島県立医科大学, 助手 (50332929)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 非結核性抗酸菌 / 16S rRNA / rpoB / secA / 診断法 / 結核菌群 / 16S ribosomal RNA遺伝子 / 検査法 |
研究概要 |
医療の進歩やAIDSの蔓延に伴う免疫不全患者の増加により非結核性抗酸菌感染症は増加している。しかし、生化学的な性状から抗酸菌の菌種を同定することは難しく、多くの症例は正しく診断、治療されていないものと考えられる。このような問題から遺伝子シークエンスを基にした細菌の同定法が報告され、研究室レベルで利用されてきた。しかし、どの遺伝子を解析すると良いのかを総合的に検討した報告はない。そこで本研究では菌種同定の"golden standard"となっている16S rRNA遺伝子に組み合わせて解析すべき遺伝子としてrpoB遺伝子の前半部分と後半部分、secA遺伝子の検討を行った。30種の標準菌株を用いた検討の結果、16S rRNA遺伝子の前半500bpとsecA遺伝子を組み合わせて解析する方法が最も診断率が高く、コストの上でも優れていることが明らかとなった。そこで、2001〜2004年に福島県立医科大学附属病院臨床検査部で分離された非結核性抗酸菌214株をこの方法で解析した結果、1株を除いて全ての株を同定でき、世界で6例目のM.heckshornense肺炎例も診断できた。 一方、結核菌群(Mycobacterium tuberculosis complex ; MTC)に分類される菌種は遺伝子のシークエンスがほとんど同じで、遺伝子シークエンスによっては菌種同定が出来ない。そこで、既に報告されている欠損遺伝子をPCRで解析し、菌種同定を行う方法を用いて症例の解析を行った。その結果、BCG接種50年後に皮膚結核症を発症した例、膀胱癌に対するBCG療法後にBCGによる脊椎カリエスを発症した症例を明らかに出来た。現在多くの検査室ではMTCの診断を行っていないが、本法の導入によって結核菌感染症と誤診されているBCGの感染症を正しく診断できるものと考えられた。
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