研究課題
基盤研究(C)
麻疹ウイルス野生株の最近流行株の中には39-40℃でもよく増殖するウイルスが存在し、高温で高い増殖能を示す株は病原性の高い株と考えられる。一方、麻疹ワクチン株のAIK-C株は33℃ではよく増殖するが、39-40℃の高温ではまったくウイルスは増殖しないtemperature sensitivity(ts)の性状を有している。こうした麻疹ウイルスの高温培養条件での増殖能の差がどの遺伝子によるものかを検討することを目的とした。Mini-genome assayによる転写複製活性を検討すると、野生株で高温での増殖能が高かった株から作製したP発現plasmidを用い、N発現plasmidにhomologousな野生株を用いたときに高い転写複製活性を示し、AIK-CのN発現plasmidを用いたときには野生株のN蛋白を用いたときの1/100まで活性が低下した。どのN蛋白発現plasmidの組み合わせでもP蛋白発現plasmidとして高温での増殖能が高かった野生株のP蛋白を用いた組み合わせで高い転写複製活性を示した。キメラP発現プラスミドの実験結果からN0 binding domainが重要であり、P蛋白断片を発現するプラスミドでcompetitive mini-genome assayを行った。N0 binding domainからCoiled-coil regionの領域を発現するプラスミドをco-transfectionしてmini-genome assayを行うと濃度依存性に転写複製活性を競合抑制しN-P-L蛋白の結合活性に重要な働きをしていることが確認された。以上の実験結果から高温で増殖する麻疹ウイルスの性状はP蛋白N0 binding domainからCoiled coilまで、特にN0 binding domainがその活性部位で結合特異性にも関与していることが明らかとなった。
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